「芝生を植えたけど、手入れが想像以上に大変…」「もうやめたいけど、やめた後どうすればいいの?」——そんな悩みを抱えていませんか?
芝生は美しい庭の象徴のような存在ですが、実際に維持するのは想像以上に大変です。毎週の芝刈り、夏の毎日の水やり、年に何度もの肥料、隙間から生えてくる雑草処理——気づけば「庭の手入れに追われる週末」になってしまいます。
こんにちは。無肥料・無農薬・不耕起栽培で、自然に寄り添う家庭菜園を実践しているダイヤンです。
実は私の実家にも芝生がありました。父が必死に手入れしていましたが、数年後には維持しきれず、晩年は雑草とハマスゲに侵食されていきました。
そして自分が家を持ったとき、芝生はあえて植えず、代わりに「雑草グランドカバー」を選びました。6年経った今、その選択は正解だったと確信しています。
この記事では、芝生をやめたい方や芝生を植えようか悩んでいる方に向けて、後悔しない芝生の代替案と具体的な移行ステップを、実体験をもとに丁寧にお伝えします。
なぜ多くの人が芝生をやめたくなるのか|5つの理由
芝生に憧れて植えた方の多くが、3〜5年で「やめたい」と思うようになります。その理由を整理してみました。
① 芝刈りの頻度が想像以上に多い
成長期の春〜秋は、週1回の芝刈りが基本です。雨が続けばさらに伸びて、刈り遅れると見た目がぐっと悪くなります。
「週末ぐらいゆっくりしたい」という方には、これだけで大きな負担になります。
② 真夏の水やりが毎日必要
芝生は乾燥に弱いため、真夏は朝晩の水やりが理想です。最低でも朝1回は必要で、共働きで日中家にいない家庭には現実的ではありません。水道代もバカになりません。
③ 肥料・サッチング・エアレーションなど年間作業が多い
芝生を美しく保つには、春の目土入れ・初夏の肥料・秋の追肥・サッチング(枯れ草の除去)・エアレーション(土に穴を開ける作業)など、季節ごとの専門的な作業が必要です。
知識がないと「いつ何をすればいいか分からない」状態になり、手入れが後手に回って芝生が傷んでいきます。
④ 雑草・ハマスゲ・スギナとの戦いが終わらない
芝生の最大の敵がハマスゲとスギナです。地下茎で広がるため、抜いてもすぐ再生します。
放置するとハマスゲ等のアレロパシー(周囲の他植物や微生物の生育を抑制する作用)により、芝生を駆逐してしまうため、見つけ次第対応する必要があります。気づくと庭の半分が雑草に侵食されている——という状態になりやすいのです。
⑤ 病気・害虫対策が無農薬では難しい
芝生は密植状態のため、湿度が高くなると病気が一気に広がります。また、コガネムシの幼虫が根を食い荒らすことも。
無農薬で対応しようとすると、薬剤を使う場合の何倍もの手間と知識が必要になります。
芝生をやめる前に知っておきたい|代替案5選の比較
「やめる」決心がついたら、次は何にするかです。代替案を5つ比較してみましょう。
| 代替案 | 初期費用 | 維持手間 | 見た目 | 雑草処理 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|---|
| クラピア・ヒメイワダレソウ | 高(5〜15万円) | 中 | ◎ | ◯ | ★★★☆☆ |
| 人工芝 | 非常に高(10〜30万円) | 低 | ○ | △ | ★★☆☆☆ |
| 砂利・真砂土 | 中(3〜10万円) | 低 | △ | △ | ★★☆☆☆ |
| コンクリート舗装 | 非常に高(20〜50万円) | 非常に低 | △ | ◎ | ★☆☆☆☆ |
| 雑草グランドカバー | ゼロ | 低(芝刈り機で刈るだけ) | ○ | 不要 | ★★★★★ |
各代替案の特徴
クラピア・ヒメイワダレソウ: 専用のグランドカバー植物。見た目はきれいで雑草も抑えますが、初期費用が高く、繁殖力が強すぎて他のエリアに広がるリスクがあります。
人工芝: 手入れ不要で見た目もそこそこですが、初期費用が高額で、夏は表面温度が60℃を超えるなどのデメリットも。耐用年数は8〜10年程度で、結局買い替えが必要です。
砂利・真砂土: 雑草が完全には防げず、スギナなど宿根草が一度根を張ると根絶不可能です。見た目も殺風景になりがちです。
コンクリート舗装: 完全に雑草を防げますが、費用が高額・味気ない印象・夏の輻射熱が強烈、というデメリットがあります。
雑草グランドカバー: 私のおすすめです。初期費用ゼロ、肥料も水やりも不要、刈り取った草は家庭菜園の草マルチにも使える——コスパと実用性があります。



雑草グランドカバーへ移行する方法3ステップ
ここからは、芝生から雑草グランドカバーに移行する具体的な手順3ステップをお伝えします。
STEP1|芝刈り機の刈り高を上げて自然と入れ替える
最もおすすめなのは、「芝生を撤去」するのではなく、芝刈り機の刈り高を高めに設定して定期刈りを続ける方法です。
芝生は刈り高が短い環境に最適化されているため、4〜5cm程度の高めに設定すると、徐々に弱っていきます。一方で、刈り込みに強いハマスゲ・スズメノカタビラなどの雑草が自然と増えていきます。
時間はかかりますが(3、4年程度)、撤去費用ゼロで自然と入れ替わるため、最も楽な方法です。
STEP2|雑草が増えたら芝生エリアを部分的に削減する
雑草の比率が概ね3割程度を超え、芝生の勢力が弱まりだしたら、芝生のエリアを部分的に削減していきます。
シャベルで芝生の一角を剥がし、その部分は雑草が自然に生えるのを待ちます。いきなり全部剥がすと土が裸になり、強いアレロパシーを持つ雑草(スギナ・セイタカアワダチソウなど)が一気に増える可能性があるので、少しずつ進めます。
取り除いた芝生の処理や作業自体が面倒であれば、芝生が自然消滅させる(定期狩りを続ける)方法でも問題はありません。(私も数年間取り除かずにいます。)
ただ、勢力が弱まった芝生が、下の画像のように緑が薄くなり、茶くなった状態で残ってしまうことがあるので、見た目を気にされる場合は注意が必要です。



STEP3|畝の周りに緑肥を植えて家庭菜園と連動させる
雑草グランドカバーが定着してきたら、家庭菜園との連動を考えます。
畝の周りに緑肥ミックス(えん麦・クリムゾンクローバー・赤クローバー)を植えると、雑草グランドカバーとの境界が自然なグラデーションになり、庭全体が一つの生態系として機能し始めます。
このステップで、家庭菜園と庭が一体化した「となりのトトロのような庭」が完成します。



芝生をやめる際の3つの注意点
完全に剥がす場合の宿根草対策
もし芝生を完全に撤去する場合、ハマスゲ・スギナなどの宿根草が一気に勢いを増す可能性があります。
地下茎を持つ宿根草は、一度根をつかせてしまうと面倒です。地上部を刈り取っても根から再生します。撤去後は最低3か月は注視して、見つけ次第根ごと掘り起こすか、繰り返し地際で刈り続けて消耗させましょう。
隣家への配慮を忘れずに
雑草グランドカバーへの移行中は、見た目が乱雑になる時期があります。
定期的に芝刈り機で刈り揃えれば、雑草でも十分きれいに見えます。ただ、放置して茂らせてしまうと苦情になりかねません。隣家との距離が近い場合は注意が必要です。
芝生をやめてよかった|6年後の実感
芝生をやめて雑草グランドカバーにして6年経った今、感じている変化をお伝えします。
良かった点
- ①手入れの時間が劇的に減った
週1回の芝刈り→月2回の雑草刈りに減少。水やりはゼロに。
- ②コストが大幅に下がった
肥料代・農薬代・水道代がほぼゼロ。芝刈り機の電気代だけ。
- ③家庭菜園と連動するようになった
刈り取った草が草マルチになり、畑の土が育つようになった
- ④生き物が増えた
カマキリ・テントウムシ・カエル・ミミズが当たり前にいる空間に。
- ⑤家族が庭を好きになった
芝生のときは「足を踏み入れるだけでも気を遣う」場所だったのが、今は子供が裸足で駆け回れる空間に。
やや困った点
- ①見た目はホテルの庭園のような完璧さはない
きっちり整った美観を求めるなら向きません。
- ②夏は雑草の生育が早い
春から秋にかけて、月2回の刈り込みが必要。雨が続くともう少し頻繁になります。
- ③虫が苦手な人には抵抗がある
カマキリやクモが普通にいる空間なので、虫嫌いの方には向きません。
ただ、ムカデや蚊等の向かい害虫は減っているという実感があります。
さいごに
芝生は確かに美しい選択肢ですが、維持できなければ意味がありません。手入れに追われて家族との時間がなくなったり、雑草に侵食されて結局見栄えが悪くなったりするくらいなら、最初から別の選択をした方が幸せです。
雑草グランドカバーは、見た目の完璧さでは芝生に劣ります。でも、コスト・手間・家庭菜園との連動・生き物との共存——あらゆる面で家庭の庭にとって最適解だと、私は6年間の経験で確信しています。
「芝生をやめたい」——その気持ちは、決して挫折ではありません。「庭を家族と自然のための空間にする」という、新しい選択肢への出発点です。
最初は雑然として見えるかもしれません。でも、定期的に刈り揃えて、緑肥や花を加えていくうちに、必ず自分の庭らしい風景ができあがります。
「となりのトトロ」のサツキとメイの家のような、緑豊かで生き物が共存する庭——その出発点として、芝生をやめる決断はとても価値があります。
失敗しても大丈夫です。来年また種をまけばいい——それがずぼら菜園の気楽さです。
この記事が、みなさんの庭づくりのヒントになれば嬉しいです。また次回も、自然農法の視点から家庭菜園を楽しむヒントをお届けします。コメント・お気に入り登録もよろしくお願いします。


