こんにちは
無肥料無農薬、不耕起栽培により自然に寄り添い手間のかからない家庭菜園を実践、研究中のダイヤンです。
野菜を収穫した後の残渣はどうされていますか?
ゴミで出せば、ごみ袋代がかかったり、ごみ回収日まで置いておかなければなりません。
そんな残渣をとっても簡単な方法で畑の肥料や土壌改良剤として利用することができることをご存じでしょうか。
良質な植物性の肥料になり、草マルチにもなります。
そんなメリットだらけの残渣を利用しない手はありません。
これからの時代、肥料や農薬に頼らず、自然の力を利用した持続可能な土壌をつくっていくことが求められます。
残渣もしっかり活用して圃場で循環させていきましょう。
この記事では残渣を最大限活用する方法についてご紹介します。
また、今年に私が行った夏野菜の残渣を処理する状況をまとめたので、今回の記事と一緒に参考にしてください。
作業工程
根本からカットして根を残しましょう。
のこぎり鎌で若干土を削るくらいの高さでカットします。
根を残せば、根に共生していた微生物を残すことができます。
土壌に微生物を残すことによって、土がはぐくまれていき、次に植えた野菜に共生する微生物と新たな生態系を築いてくれます。
いずれ根も分解され、空気と水の通り道が形成され、より微生物が生存しやすい、野菜が育ちやすい環境になります。
根元からカットした残渣は、分解されやすいように細かくカットします。
水分が多く栄養価が高い白菜やキャベツは分解の過程でカビが増殖します。
カビは分解の過程の一つですが、生育している野菜に害を与える菌であり、悪い影響を与えるので、カビが生えやすい残渣はできるだけ細かくカットして、野菜から離れた場所に敷きましょう。
一番簡単な方法は、草マルチとして利用することです。
畝の上にパラパラとまぶすようにまいてやります。
そうすればマルチとして土を保護しながら、徐々に分解され、土に帰っていきます。
注意点は、生育中の野菜の直近にまくことを避けることです。
もう一つの方法は、米ぬかと一緒に畝に埋めてしまう方法です。
分解が早いというメリットがあります。
大量に残渣があり、草マルチも十分にある場合は、土に埋めてしまった方が効率は良いです。
微生物の大好物米ぬかをまいて、分解を促進してやりましょう。
植物性有機物にはないリンも補給できます。
なければ、米のとぎ汁でOKです。
根っこは抜かずにカット、、、【STEP1】
植物の根っこに、共生する微生物や菌がいることをご存じでしょうか。
その微生物や菌は、野菜を病気から守ったり、養分を与えてくれたり、水分を補給してくれたりする重要な役割を担っています。
野菜の根っこを抜いてしまうとその微生物や菌が一緒に取り除かれてしまいます。
そのため野菜の根っこは極力残し、微生物等を土に残してあげましょう。
そうすれば、残った微生物が新しく植えられた野菜と共生し、新たな生態系が築かれていきます。
残した根っこが、次に育てる野菜が根を張るのに邪魔になるのでは、、、と思われた方
私もそう思っていました。
しかし、一度残した根っこの近くに野菜を植えてみてください。
問題なく育ちます、、、
むしろ、ナス科→アブラナ科等の前後に相性のよい野菜を計画的に植えていけば、根を残してあげた方がよく育ちます。
そして、残した根っこは最終どうなるのかと言いますと、いずれ微生物によって分解されて、団粒構造が構成され、土の養分として補給されることに加え、根っこがあったところが空洞となり、空気と水の通り道となり、野菜や生き物がより生きやすい土壌環境となっていきます。
次に植える野菜の植え付けによっぽど邪魔になるのであれば、抜いてやってもいいとは思います。
ただ、土壌の生態系を崩さずに本来の土の力を維持していくために、極力を根を残してあげることをオススメします。
注意点は、弱った植物の根をそのまま残してしまったり、一つの畝に同じ種類の野菜の根を残してしまうと、センチュウと呼ばれる害虫が土壌で繁殖したり、微生物のバランスが偏って連作障害を起こしてしまうと言われています。
根っこを抜かない方法は土壌を育てる上で非常にメリットがある方法ではありますが、デメリットになりうる可能性があるので、例えば「センチュウを増殖させないコンパニオンプランツとなる野菜(ナスやピーマンと一緒にネギ)を密植させる」「野菜と共生しやすい冬雑草等を極力畝に残す」「草マルチをして分解する微生物を増やす」「緑肥を活用する」等の対策をして、植物と微生物の多様性を持たせることも重要です。
残渣は細かくカット【STEP2】
刈った野菜はある程度細かく切ってしまいましょう。
そのまま放置してしまうと分解するのにかなりの時間を要してしまいます。
それだけでなく、栄養分や水分が多い白菜やキャベツ等の残渣は、腐敗する可能性があります。
カビがでること自体は分解の過程のひとつなので問題はないのですが、直近に育てている野菜があれば、そのカビの菌が野菜に害を与える可能性があるので、注意が必要です。
また、見た目やにおいが悪くなる可能性もあるので、気になる方はできるだけ細かく刻んでしまいましょう。
神経質にならなくてもよいので、ざっと10センチから20センチくらいに切断してやれば十分です。
畝の上にしく【STEP3-1】
残渣処理の中で一番簡単な方法です。
刈り取った残渣をそのまま細かく刻んで畝に敷きます。
メリットは手間なく処理できることです。
デメリットは、近くに元気に育っている野菜に影響を及ぼす可能性があることです。
白菜等の水分が多い野菜の残渣は、カビが繁殖しやすい傾向にあります。
病原菌が発生しやすい菌を一時的に増殖させてしまいます。
カビの菌が増殖した後、その菌をエサに良い菌が増殖して分解されていくので、カビがでること自体問題ないのですが、直近に育てている野菜がある場合は悪い影響を与えるので注意が必要です。
野菜の直近に残渣を敷く場合は、白菜やキャベツなどの水分が多い残渣はさけ、早く乾燥させるために
・刈った残渣を束にせず、向きを互い違いに敷く
・パラパラとまぶすように敷く
というような形で、空気を抜けやすいように敷きましょう。
雨が多い梅雨時期等は特に注意しましょう。
参考で野菜の根元に敷く草マルチはイネ科の雑草が向いています。
残渣を堆肥に【STEP3-2】
二つ目の方法は残渣を堆肥にしてしまうというやり方です。
直近で野菜を育てていない場所で行います。
水分量が多い残渣が大量にある場合には、この方法で処理してしまう方が安全かもしれません。
やり方は簡単です。
野菜を育てていない場所に、残渣を積み上げて、米ぬかを混ぜて土を被せるだけです。
残渣→米ぬか→残渣を繰り返してミルフィーユ状にしていきます。
土を被せてあげた方が圧倒的に分解早いです。
ただ、土を被せる作業や土を調達することが少し手間がかかります。
ずぼらな私は、最後の「土を被せる」という工程を省くことがしばしばあります。
堆肥製造スペースを作って、そこへ残渣をどんどん積み上げていきます。
残渣を積み上げた場所の見栄えが悪くなりそうな場合、その上から草マルチを軽く敷いてあげたり、夏野菜のゴーヤやきゅうり等を育てるための3本支柱を立てて隠したりするとよいです。
堆肥製造スペースの周りで育てている野菜の生育がかなりよくなります。
積み上げた残渣から雨水等と一緒に栄養分が周りの畝に流れ出ているものと考えられます。
元気に育ちすぎて若干アブラムシが多いときもありますが、テントウムシがしっかり処理してくれています。
堆肥化した残渣の栄養分を余すことなく、自然に畝に与えることができるのでオススメです。
注意点は、残渣に生育途中の野菜を近づけすぎないことです。
分解が中途半端な状態だった場合、野菜に害を及ぼす可能性があります。
育っている野菜の根が、残渣に触れることがないくらいの位置が目安です。
また、分解を促進するために投入する米ぬかは、残渣にまくと一時的に地温が上昇します。
その地温が野菜の根を痛めてしまう可能性があるので注意が必要です。
米ぬかで分解促進【STEP4】
微生物が大好きな米ぬか、、、
残渣を分解させるのに、もってこいの資材です。
分解を促進させるだけでなく、米ぬか自体がもっている栄養素も微生物に分解され野菜にわたります。
残渣を畝にしいたり、堆肥化させる場合には、米ぬかを軽くまぶしましょう。
1平米1、2掴み程度の量でよいです。
米ぬかをまいた後、微生物が分解を始めるには、ある程度の水分が必要です。
なので、残渣が乾燥していたり、しばらく雨が降らない場合は、軽く水をまいて水分を与えてあげましょう。
また、残渣の分解に活躍する微生物は日光にとても弱いので、積み上げた残渣の表面だけに米ぬかをかけてもあまり意味がありません。
米ぬかをかけた後、残渣をゆすったり、軽く叩いたりして米ぬかを全体に行きとどろかせてあげましょう。
ある程度、残渣が密着しているほど分解されやすいので、手や足で押して圧力をかけてあげてもよいのですが、残渣の分解が進むにつれて、勝手に沈んで密着していきますのである程度でよいと思います。
米ぬかがない場合は、米のとぎ汁でも代用はできます。
木質化した夏野菜の残渣処理
ナスやピーマン等の木質化した残渣は分解には時間がかかります。
量が多くなければ、気にせず他の残渣と同じように処理すればよいかもしれませんが、問題は大量にある場合、、、
そんな場合は、燃やして炭にしてしまい畝に帰す、若しくは畝の脇に溝を掘り、米ぬか、雑草、その炭を入れることによって、空気と水の流れを作ってやることに使用することができます。
枝を炭にするメリットは、枝に隙間ができて微生物の住処になることです。
畝の周りにも微生物の住処をつくって土壌環境をよくすれば、畝の空気と水の流れがよくなり、より野菜が快適に育つ環境が整うはずです。
最後に
これから家庭菜園を育てていくとおのずと残渣が増えていきます。
それらを捨ててしまうのはすごくもったいないです。
あますことなく畝に戻してあげて、次に育てる野菜につなげていってください。
今回ご紹介したものは、手間のかからない作業ばかりです。
ぜひ試していただきたいと思います。
実践編⇩
実際に夏野菜の残渣を堆肥化してみました。
非常に簡単な作業なので、実践編も参考にしてみてください。
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