こんにちは
無肥料無農薬、不耕起栽培により、自然に寄り添い手間のかからない家庭菜園を実践、研究中のダイヤンです。
梅雨は病気の菌が蔓延する危険な季節です。
野菜作りで最も難しい季節と言えます。
梅雨時期の対策を怠ると、その後の収獲が上手くいかないばかりか、手間ばかりかかって十分な収穫ができずに終わってしまいます。
最悪枯れてしまうことだってあります。
特に無農薬で野菜を育てる場合、梅雨時期に起こりやすい病気の原因やその対策方法を知ることがとても重要になってきます。
梅雨時期の病気対策は、
草マルチをしっかり敷いておくこと
雨の日に圃場に入らないこと
水の流れを作ること
雑草を残すこと
必要に応じて雨避けを作ること
です。
この記事では、梅雨時期に気を付けなければならない点とその対策について詳しく解説します。
梅雨時期の対策は難しいと考えられがちですが、一度経験するとそう難しいものではありません。
ずぼらな私でも簡単にできる対策をわかりやすくご紹介していきます。
みなさんの参考になれば幸いです。
梅雨時期に起こやすい障害や問題点
梅雨時期にはさまざまな問題があります。
主な問題点は
病気が蔓延しやすくなる
根腐れを起こしやすくなる
雑草の勢いが増す
土が雨に流されてしまう
梅雨時期特有の害虫が増える
圃場に入れない
です。
順に解説していきます。
病気が蔓延しやすくなる
梅雨時期の最大の問題が、病気の蔓延です。
雨が続く梅雨の季節。
雨が長く続くと圃場の水分が多くなりすぎたり、湿度が高くなりすぎてしまいます。
その環境下で活発になるのが、野菜に病気をもたらす病原菌です。
雨が降って湿度が高くなることで、その菌やカビの胞子が空気中に蔓延します。
土の中にいるたくさんの悪い菌が、雨ではねて野菜への感染につながってしまいます。
雨の日は野菜も水分を含んで傷がつきやすくなったり、一度傷がつくと乾きにくく再生が遅れてしまいます。
その傷口から病原菌が侵食していってしまいます。
根腐れが起こりやすくなる
土の中の水分量が多くなると、根が窒息状態に陥り、根腐れを起こしてしまいます。
特にトマト等の乾燥した環境を好む野菜は雨により生育不良を起こしやすく、最悪枯れてしまうこともあります。
水の流れがしっかりと構築されている圃場では、こういった心配がありませんが、
水たまりが良くできる圃場
通路がべちゃべちゃになりやすい圃場
等は注意が必要です。
雨が降り水たまりができると、畝自体も水につかった状態になって、野菜が窒息し酸欠状態に陥っている可能性があります。
酸欠状態になると野菜が育たないばかりか、圃場にいる微生物も生きていけない状態となって土が死んでしまいます。
雑草の勢いが増す
雨によって雑草の勢いが増すことで、野菜がその勢いに負けてしまいます。
雨が降ると必然と雑草の勢いが増します。
夏に旺盛になるイネ科の雑草に勢いが出てくると、生育阻害物質を出して、野菜にダメージを与えたり、背が高くなって野菜に十分な日光が届きにくくなる等、野菜の育ちの大きく影響します。
旺盛になる雑草に邪魔されないように、特に梅雨入り前にしっかりとした手入れが必要になります。
土が雨に流される
強い雨が降ると、畝の土が流され、崩れてしまうことがあります。
特に野菜を作るたびに土を耕して畝を作っている圃場では、土が流されやすくなります。
土が流されるだけでなく、化成肥料や液体肥料を与えている圃場では、その養分や土壌改良剤等も流されてしまいます。
土を耕さない不耕起栽培の場合、雑草の根や土壌の微生物、菌糸のつながりで土が構築されているので比較的、雨水に流されにくくなります。
化学肥料を与えない無肥料栽培の場合、野菜への養分の補給は共生する微生物の働きによるものが大きいのので、化学肥料に比べて、養分が流されるという心配はほとんどありません。
そういった点からも、不耕起、無肥料無農薬栽培は環境変化に強い野菜が育つ大きな理由とも言えます。
梅雨時期特有の害虫が増える
梅雨時期に増えやすい害虫が、ナメクジです。
ナメクジは、花や葉っぱを食害します。
数が少なければ、野菜が致命傷を負うことはありませんが、ナメクジが発生しやすい環境を作ってしまうと、無限に増え続け、植えたばかりの苗のやわらかい葉が食害されてしまいます。
対策は、ナメクジが発生しやすい環境を作らないことです。
ナメクジは湿気がある場所を好みます。
例えば、土の上にレンガや木ブロックを置いていたりすると、必ずと言ってよいほどナメクジが住み着きます。
ナメクジが増えると、私達が見えていない夜の間に野菜を食害します。
畝の近くに物を行いように心がけましょう。
圃場に入れない
雨の日は極力圃場には入らないようにしなければなりません。
圃場を荒らしたり、病原菌等を蔓延させてしまうからです。
つまり梅雨時期は対策をしたくても圃場に入れません。
だからこそ梅雨入り前の対策がとても重要なります。
次の章では、その対策をお伝えします。
梅雨対策 やっておくべき対策6選
草マルチ
畑に黒色のビニールシートが敷かれている光景をよく目にすると思いますが、これをマルチングと言います。
マルチングは、土の表面を覆い、雨ではねた土が原因で起こる病気を予防してくれます。
また、土の保湿、雑草の抑制、土の流出等を防いでくれます。
雨が多い梅雨時期にはマルチングは欠かせません。
これを雑草等を被せてマルチングする方法を草マルチや雑草マルチと言います。
草マルチは、ビニールマルチに比べて、
雑草を完全に防ぎきることができない
地温が上がりにくい
といったデメリットがありますが、その反面
有機物として分解され土に帰っていく
土の団粒化が促進され、土壌改良に役立つ
分解された有機物が野菜の栄養になる
野菜と共存する微生物が多くなり、野菜への養分供給が活発に行われる
益虫の隠れ家となって、害虫を捕食してくれる
夏の炎天下に地温を抑えてくれる
多少の雑草が生えることによって、畝が安定し、土の流出を防いでくれる
等とみなさんが思っている以上の良い影響を与えてくれます。
特に不耕起、無肥料無農薬栽培で野菜を育てていく場合には、草マルチは必須と言えます。
また、草マルチであればで、マルチングとして土に被せる量を調節することができます。
雨が多い梅雨時期には、株元の草マルチを少なめにして、湿気で群れないように調整し、梅雨が終わり、夏本番になる前に草マルチの量を多くして、暑さ対策を行う等の調整を簡単に行うことができます。
梅雨に入る前に、畝の土を裸にしないように草マルチを敷き、泥はねによる病気を予防しましょう。
なお、梅雨時期に草マルチを厚くしすぎると、水気と湿気で空気が少なくなり、草マルチが「腐食」ではなく、「腐敗」というカビが増殖する等の悪い方向に進んでしまうことがあります。
極めて稀に起きる現象ですが、風通しがよくない環境下で雑草を厚くしすぎると発生することがあります。
そうなればヘドロのような臭いがするのですぐに判別することができます。
そんな場合は、
草マルチの量を若干少なくする
雨が降っていないときに草マルチをかき上げて空気を入れてあげる
米ぬかをまいて分解を促進してあげる
といった対策が有効的です。
ただ、草マルチを始めて間がない初心者の方にありがちなのが、その逆の
草マルチの量が少なすぎる
ことです。
どうしても最初は畝に敷く雑草の量が不足してしまいがちです。
草マルチの量が少ないと、土を裸にしていしまい、泥はねから野菜に病気が感染してしまうので、出来れば十分な草マルチを施せるように梅雨入り前に雑草を調達する若しくは、緑肥を活用しておきましょう。
緑肥について詳しく解説した記事がありますので、参考にしてみてください。
草マルチの量の目安としては、
畝の畑の土が少しでも見える場合は草マルチの量が不足
しています。
これを目安にしっかりと草マルチを敷いていきましょう。
草マルチについて詳しく説明した記事がありますので、興味がある方はチェックしてみてください。
圃場に入らない
雨に濡れた野菜は、やわらかくなり、傷つきやすい状態となっています。
その上、雨が降ると病原菌が空気中に浮遊し、野菜が病気に感染しやすい環境が揃います。
野菜の収獲をすることで、その傷口からも病気が感染しやすくなります。
また雨の日に畑を歩くと土がドロドロになって、粘土化しやすくなります。
粘土化すれば、そこが水たまりとなり、畝が窒息し、酸欠状態を引き起こしてしまいます。
つまり雨の日に圃場に入ると、全く良いことがありません。
雨の日は、野菜や圃場にダメージを与えないために、極力作業を行わないようにしなければなりません。
雨の日に作業をしなくてもいいように、前もって計画的に、剪定、雑草取り、支柱立て、収穫等の作業を行うようにしましょう。
梅雨時期には、まだ野菜の苗の成長が不十分なものが多くあると思います。
苗の成長が不十分な場合、野菜を大きくせず早め早めに収穫することで野菜の苗を充実させることができ、それが大きく長く収穫するためのコツと言えます。
そんなときに梅雨時期の雨が原因で収穫が遅れ、野菜を大きくしてしまったとなれば、苗がにダメージを与えてしまいます。
ですから、梅雨時期は週間天気予報をしっかり確認し、晴れた日に確実に野菜が収穫できるように計画立てることをクセづけましょう。
水の流れを作る
雨の多い梅雨時期は水はけのよい土を作っておくことが重要です。
例えば、雨の多い地域では、畝を高くしたり、土壌改良資材を投入しておくことで、土の水はけを良くすることができます。
そのほか、畝の周りに溝を掘って水の通り道を作っておくことも有効的です。
畝の周りに水たまりができて、水が停滞してしまうと、畝が窒息し、酸欠状態に陥ってしまう可能性があります。
野菜はもちろん、畝の中の生き物が生きていけない環境になっている可能性があります。
そんな場合は、畝の脇に通路を掘って、雨が降っても水が流れていくような環境を作ります。
雑草を残しておく
梅雨時期には、ある程度の雑草を残しておくことによって、
水はけがよくなる
土が流されにくい
泥はねを防いでくれる
といったメリットがあります。
雑草を残す最大のメリットは、水はけです。
雑草を残すことによって、土に根を張り、そこが水の通り道となって、水の流れを作ることができます。
二つ目のメリットが、土の流出を防いでくれることです。
土に根を張ってくれることによって、土壌が安定し、強い雨が降ったとしても土が流出するのを防いでくれます。
三つ目のメリットは草マルチと同じで、土を裸にしないことで泥はねを防いでくれます。
また、野菜と相性のよいハコベやホトケノザ等を残すことによって畝に植物の多様性が生まれます。
多様性を出すことによって、連作障害等が起こりにくくなります。
反対に、イネ科等の生育阻害物質を出す雑草が野菜の株元近くに生えている場合は、野菜の生育を阻害してしまうことから除去しなければなりません。
野菜より大きくしてしまうと、必要な養分を吸い取られてしまったり、十分な日光を浴びることができずに生育不良となってしまう可能性があるので注意が必要です。
野菜の直近以外の雑草を処理する場合は、「抜き取る」ではなく、根を残してカットすることを心がけましょう。
雑草は一度、カットすると勢いが落ち、比較的成長がおとなしくなります。
また、雑草を残すだけでなく、通路にもみ殻をしくこともオススメです。
雨の日や前の翌日に通路を踏み固めてしまうのを防いでくれます。
雨避けを作る
野菜の中には水分が多すぎるとうまく育たないものが存在します。
その代表的な野菜が、トマトです。
トマトは、アンデス山脈等の雨がほとんどふらない地域で自生していた植物です。
雨が降らない地域で育ったため、雨がなくても、自ら空気中の水蒸気から水分を吸い取って補給しています。
ですから、水を与えてしまうとかえって水分過多となりダメージを与えしまうことがあるのです。
特に雨が多い梅雨時期はトマトにとって要注意です。
雨が多い地域では、雨避けを設置しなければうまく育たない場合もあります。
雨除けを設置する場合、側面まで覆うと風通しが悪くなり湿度が高くなってしまうため、設置するときは上だけ覆うようにしましょう。
雨避け用品は通販等で簡単に用意することができます。
台風等の対策も必要になりますが、単に雨を防ぐだけであれば十分です。
まとめ
雨が多い梅雨時期は野菜作りにとって一番難しい季節といっても過言ではありません。
その梅雨時期を乗り越えるために、しっかりとした対策を施しておきましょう。
必要な対策は、
草マルチ
圃場に入らない
水の流れを作る
雑草を残す
雨避けを施す
です。
「水の流れを作るための水路を作る」や「雨避けを作る」はひと手間ではいきませんが、草マルチや雑草を残す、圃場に入らないことはだれにでも簡単に行うことができます。
できることからしっかりとした対策を施していきましょう。
梅雨時期を乗り越えることができれば、梅雨明けからしっかりと野菜を収穫していくことができるはずです。
また、今後もみなさんに有益な情報をお届けできるように努めてまいりますので、コメント、お気に入り登録、リンク等々よろしくお願いします。
ありがとうございました。
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