益虫を庭に呼ぶには|自然農6年でテントウムシ・クモが当たり前になった庭の条件と工夫【無農薬・無肥料】

「無農薬で野菜を育てたいけれど、害虫が心配」「テントウムシやカマキリが当たり前にいる庭にしたい」「そもそも、何を植えれば益虫は来てくれるの?」——そんなふうに思っていませんか。
こんにちは。無肥料・無農薬・不耕起栽培で、自然に寄り添う家庭菜園を実践しているダイヤンです。

先に正直なことを書きます。わが家の庭には、テントウムシもクモもミツバチもミミズも当たり前にいます。カマキリもカエルも、時々ちゃんと会えます。でも——益虫のためだけにやっている工夫は、ひとつもありません。
インターネットで「益虫 呼ぶ」と検索すると、たいてい「この花を植えましょう」「小さな池を作りましょう」という植栽計画が出てきます。わたしもそういう記事を書いていました。
でも、6年やってきて分かったのは、少し違うことでした。益虫は「呼ぶ」より先に、来る順番があったのです。
この記事では、わが家の庭に実際にいる益虫の顔ぶれと、どんな順番で来たのか、そして益虫が来やすくなる庭の工夫を、6年間の実体験からお伝えします。「呼べる魔法」は出てきませんが、そのぶん正直なことだけを書きます。

益虫が来る庭には順番がある|わが家は「害虫が先」だった
いちばん大事なことから書きます。益虫を呼ぶ植栽の話より、先に知っておいてほしい順番の話です。
農薬を使っていたころの庭は「害虫もいないが、益虫もいない」
自然農を知る前、わたしは有機肥料と石灰と農薬を使う、一般的な栽培方法で野菜を育てていました。結球する白菜やキャベツまで、ちゃんと収穫できていました。
そのころの庭が、どんな風景だったか。
害虫もいないが、益虫もいない。殺風景な感じでした。
そして、いったん害虫が増え始めると、特定のその害虫だけが増える。ほかに何もいない場所で、その一種類だけがどんどん増えていくのです。

当時のわたしは、虫を気にしていたというより、虫がいないか気になって仕方がなかったんです。虫を敵として見ていたから。野菜に虫を寄せ付けてはいけないと思っていた。だから、しんどかった。
「益虫を呼びたい」と検索している方の多くは、たぶん害虫対策の手段を探しています。でも、その奥にあるのは、この「虫がいないか気になって仕方がない」というしんどさなんじゃないかと、わたしは思っています。
増えたきっかけは、花でも住処でもなかった
農薬をやめて自然農に切り替えてから、庭にはいろんな種類の虫が集まるようになりました。
では、何が効いたのか。花を植えたから? 水場を作ったから?——どちらでもありませんでした。
わが家で「益虫が増えたな」とはっきり感じたのは、草マルチを安定して供給できるようになり、畝の周りの雑草や緑肥が育ってきたときです。
刈った草が足りず、河川敷まで集めに行っていたころは、畝の土もまだ裸のままでした。それが、芝刈り機で庭と隣の敷地の草をまとめて刈れるようになり、畝の周りに雑草と緑肥が茂るようになった。そのタイミングでした。
つまり、益虫のためにやったことではなく、土のためにやっていたことが、結果として虫の住む場所を作っていたわけです。

順番は「害虫が先、益虫が後」
そして、いちばん驚いたのが順番です。わが家で起きたことは、こういう流れでした。
まず、アブラムシなどの小さな害虫が増える。それらを餌に、益虫が集まってくる。
最初に増えたのは、やはりテントウムシでした。そしてクモ、カマキリと続きました。
もう少し細かく書くと、こんな連鎖です。
わが家の畑に虫が戻ってきた順番
- まずアブラムシなど、小さな害虫が来る
- それを餌に、テントウムシが来る
- さらにバッタ、モンシロチョウ、アオムシが来る
- それを餌に、カエルやカマキリ、アオムシコマユバチが畝を訪れるようになる
見ていて飽きない、そんな畑になりました。
ここが、「益虫を呼ぶ」という言葉がいちばん取りこぼしているところだと思います。餌がなければ、益虫は来ないし、留まらない。
これは一般にも言われていることのようです。気温の低い春の時期は、土着の天敵の発生が害虫の発生より遅れるため、被害が出やすいとされています。天敵は害虫より遅れて出る。順番が決まっているのです。
「益虫だけを増やす」ことはできません
益虫は害虫を食べて生きています。だから、害虫がまったくいない庭には、益虫も住めません。わが家では今、益虫をその場に残すために、餌になる害虫をある程度そのままにしています。害虫との向き合い方そのものは、別記事で詳しく書いています。
「呼んでいる」のは、人間ではないのかもしれない
裏取りの過程で、ひとつ面白いことを知りました。
アブラナ科の植物は、モンシロチョウの幼虫に食べられると、特徴的な匂いの物質を出すとされています。そして、アオムシに卵を産みつけるアオムシコマユバチは、その匂いを頼りに飛んでくるとされているのです。植物の匂いには、「天敵の天敵と手を組む」という間接的な防御の役割もある、と考えられているそうです。
わが家の畝にも、アオムシコマユバチは来ています。
もしこれが本当なら——益虫を呼んでいるのは、わたしではありません。食べられている野菜のほうが、自分で呼んでいることになります。人間にできるのは、その声が届く環境を邪魔しないことくらいなのかもしれません。
わが家の益虫|当たり前にいる4種と、時々会える3種
ここからは、わが家の庭に実際にいる益虫を、正直に棚卸しします。
よくある「益虫6選」のように横並びで紹介すると、全部が同じくらいいるように読めてしまいます。でも実際は、当たり前にいる子と、会えたらうれしい子がはっきり分かれています。
| 益虫 | わが家での会いやすさ | どんな様子か | 庭でのおもな役割 |
|---|---|---|---|
| テントウムシ | ◎ 当たり前にいる | そのへんにいっぱい。春先はかなりの数 | アブラムシを食べてくれる |
| クモ | ◎ 当たり前にいる | 歩き回る子も、巣を張る子も両方 | いろいろな虫を捕らえる |
| ミツバチ | ◎ 当たり前にいる | 野菜・果樹・花を行き来している | 受粉(害虫は食べません) |
| ミミズ | ◎ 当たり前にいる | 掘れば出てくる | 土づくり(厳密には土壌動物) |
| カマキリ | ○ 時々会える | 年で数は違うが、毎年会える | 大きめの虫を捕らえる |
| カエル | ○ 時々会える | 畝の中と周り。雨の日に活発 | 地面まわりの虫を食べてくれる |
| マルハナバチ | ○ 時々会える | 朝日が昇るころ | 受粉(害虫は食べません) |
ミツバチとミミズは、害虫を食べる側ではありません。それでも、わが家の庭にはなくてはならない存在なので、役割を分けて書いていきます。
テントウムシ|春先にいちばん数が増える
わが家でいちばん会いやすい益虫です。というより、そのへんにいっぱいいます。(「てんとう虫」と書かれることもありますが、同じ虫です。)

特にすごいのが春先で、4月ごろから5月の連休あたり、少しずつ暖かくなってくるころに、かなりの数になります。逆に、夏には少し減る印象です。どこかに隠れているのかもしれませんが、そこは分かりません。
この実感、じつは一般に言われていることとよく合っていました。ナミテントウなどの越冬した成虫は4月ごろに越冬場所を離れ、アブラムシが群がる花や新芽に集まって活動を始めるとされています。そしてテントウムシ類は春と秋に多く、夏には少なくなるとされています。
わたしが「春先はすごいな、夏は減ったな」と眺めていたのは、そういうことだったようです。
なお、テントウムシがアブラムシをどれくらい食べるかについては、1日に10〜30頭とする資料もあれば、50〜100匹以上とする資料もあり、幅があります。わたしは数えたことがないので、ここは一般情報としてだけお伝えしておきます。わが家の実感は、「アブラムシが少し増えても、長続きしない」という、それだけです。
クモ|草マルチの下を歩き回る側と、巣を張る側
クモも、わが家では当たり前にいます。しかも2種類のタイプが、どちらもたくさんいます。
- 草マルチの下で歩き回るクモ
- 巣を作るクモ
クモは一般に、網を張る造網性と、網を張らずに歩き回る徘徊性に大きく分かれ、ほぼすべてが肉食とされています。
わたしが注目してほしいのは、草マルチの下という場所です。これは、土のために敷いた草の層が、そのままクモの通り道になっているということです。
これも裏取りしてみると、イネ科のオオムギなどが茂ると、コモリグモ類をはじめとする地表を歩き回るクモが株元で見られるようになるとされていました。わが家の畝の周りには、緑肥のイネ科が生えています。狙ってやったわけではないのに、同じことが起きていたようです。
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草マルチをそっとどかしたところ(歩き回るクモ、またはミミズ)。
▲写真はこのボックスの上(外側)に入れて、ボックスごと削除してください。
ミツバチ|野菜の花も果樹の花も行き来する
わが家のミツバチは、とにかくいろんな花につきます。

キュウリ、ナス、トマトの花。レモンの花、みかんの花。マリーゴールド。——野菜も果樹も花も、区別なく行き来しています。
これは、わたしが目指してきた「家庭菜園と庭が一体化した状態」が、虫の側から見ても一つの空間になっている、ということなのかなと思っています。畑と庭を分けているのは、たぶん人間だけです。
ミツバチは害虫を食べません。役割は受粉です。ただ、「受粉が安定して収穫が増える」といった書き方はしません。わが家で言えるのは、レモンに違う品種の花もあることで実付きが良くなった、という程度の実感までです。
ミミズ|掘れば出てくる、土の中の働き手
畝でも通路でも、掘ればミミズが出てきます。草マルチをどかしただけで出てくることもあります。
ミミズは厳密には益虫(昆虫)ではなく、土壌動物です。役割も害虫退治ではなく、土づくりのほうです。
一般には、ミミズの糞は団粒になり、土の保水力と通水性を高めるとされています。そして、ミミズ自身がモグラや鳥、カエル、甲虫などの餌でもあり、食物連鎖の起点にもなっているそうです。
つまりミミズは、土を作りながら、他の生き物のごはんにもなっている。この記事の締めにつながる話なので、覚えておいてください。
カマキリ|レモンの木の枝が、狩り場であり産卵場所
ここからは「時々会える」組です。
カマキリとは、年によって数が違いますが、基本的に毎年ちゃんと会えます。そして、会う場所がだいたい決まっています。
レモンの木の枝に隠れて、獲物を狙っている姿です。
そして、レモンの木にカマキリの卵(卵鞘)を産んでいるときもあります。花が増えて蝶が来るようになり、その蝶を狙うカマキリが来て、そこで卵まで産んでいく——という連鎖が、わが家では実際に起きています。
カマキリは一般に、卵鞘のまま冬を越して、4〜5月ごろに孵化するとされています。産卵は秋(関東では10〜11月ごろ)とされているので、わたしが見つけた卵鞘は、越冬中のものだったことになります。
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レモンの木の枝に産み付けられたカマキリの卵鞘。キャプションに撮影年を添えてください(撮影の旬は2〜3月=来年の冬でも可)。
▲写真はこのボックスの上(外側)に入れて、ボックスごと削除してください。

カエル|畝の中と周り。雨の日に活発
カエルは、畝の中や畝の周りにいます。そして、雨が降っているときは活発に動いています。
一般にも、アマガエルは雨が近いと、繁殖期に関係なく昼間でも鳴くとされているので、雨の日に目立つのは自然なことのようです。
ここで、大事な訂正をひとつ。
わたしは以前、この記事に「カエルを呼ぶには、庭の片隅に水を張った浅い容器(小さな池)を置きましょう」と書いていました。でも——わが家に水場はありません。今も、まだ作っていません。
それでも、カエルは畝にいます。
調べてみると、ニホンアマガエルは繁殖のために水辺へ行くけれど、それ以外の時期は水田周辺の畑や草むら、森林で過ごすとされていました。水場がなくても、草むらと餌があれば、暮らせる時期があるということのようです。
カエルの皮膚はつるつるした粘膜に覆われていますが、この粘膜には毒があるので、触ったら必ず手を洗うようにと言われています。わが家も子どもと庭に出るので、ここだけは徹底しています。
マルハナバチ|朝日が昇るころ、ずんぐりむっくり
わが家でマルハナバチに会うのは、朝日が昇ってくるタイミングです。
目立つし、姿がずんぐりむっくりでかわいいので、すぐ目に入ります。
これも調べてみて、なるほどと思いました。マルハナバチの活動限界温度は6℃前後とされていて、10℃以上とされるミツバチより低温でも動けるそうです。そして、体が大きく長い毛に包まれていることが、体温を保つのに役立っているとされています。
つまり——わたしが「ずんぐりむっくりでかわいい」と思っていたあの体型こそが、朝の冷え込みの中でも飛べる理由だったわけです。可愛いから見ていただけなのに、ちゃんと意味がありました。
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朝のマルハナバチ(花にとまっているところ)。
▲写真はこのボックスの上(外側)に入れて、ボックスごと削除してください。
益虫が来やすくなる庭の工夫|わが家がやっている5つ
さて、ここからが実践編です。
ただ、最初にはっきりさせておきたいことがあります。
益虫のためだけにやっている工夫は、ひとつもありません。でも、やっていること全部に、益虫のことも入っています。
どれも意図してやっていることですが、主目的が益虫だけ、というものが一つもないのです。土のため、草マルチの資材のため、雑草のため——いくつもの目的が重なっていて、そのうちの一つに益虫がいる。それが正直なところです。
「これをやれば必ず呼べる」ではなく、「わが家はこれをやっていて、結果としてこうなっている」。そういう読み方をしてもらえたらと思います。
草マルチを敷く
刈った草を畝に敷く。わが家の土づくりの中心であり、いちばん手放せないものです。
主目的は土です。土を裸にしないこと。でも先ほど書いたとおり、草マルチの下はクモの通り道になり、どかせばミミズが出てくる場所にもなっています。
厚さや敷き方には別記事で書いている基準があるので、ここでは数値には踏み込みません。益虫の視点で言えるのは、土を裸にしないと決めた瞬間から、地面の上に「屋根のある層」ができる、ということです。
雑草を15cm残して刈る
雑草を根元からきれいに刈るのではなく、15cmほど残して刈るのがわが家のやり方です。
これも主目的は益虫ではありません。根を残して、枯れた根に水と空気の通り道を作ってもらうため。そして、刈った草をそのまま資材にするためです。
ただ、結果として残した15cmが、そのまま虫の隠れ場所になります。全部を刈り取ってしまうと、隠れる場所も、餌になる小さな虫もいなくなります。
雑草の根元付近を見ると、いろんな小さな生き物が集まっています。 あれを全部なくしてしまうのは、もったいない話です。
畝の周りに緑肥を育てる
畝の周りには、緑肥ミックス(イネ科とマメ科)を育てています。

主目的は、草マルチの資材の補充と、雑草が減る冬の被覆です。益虫のためにまいたことは、正直、一度もありません。
ところが、裏取りをしていて驚いたことがあります。わが家がまいているクリムゾンクローバーは、春の時期に、テントウムシ類などの土着の天敵を保つのに有効な「天敵温存植物(インセクタリープランツ)」として挙げられていたのです。
しかもその仕組みが、クリムゾンクローバーを育てるとアブラムシが増え、それを追ってテントウムシが呼び寄せられるというもの。害虫が先、益虫が後——わが家で起きたことと、同じ順番でした。
緑肥のつもりでまいていたものが、結果的に教科書どおりのことをしていた、というわけです。
手をつけない「自然エリア」|わが家はまだ作りかけ
庭の一角を、あえて手入れせずに残すエリアです。落ち葉や枯れ枝、石を積んでおくと、生き物の住処になるとされています。
わが家にも、そういう場所はあります。ただ、正直に言うと、まだ未完成です。 これからしっかり作っていく予定の場所、というのが実態です。
なので、ここは「わが家ではこうしています」ではなく、「これからやるつもりです」として読んでください。
水場|わが家にはまだありません
前にも書きましたが、大事なので繰り返します。わが家に水場はありません。
浅い容器に水を張って石で足場を作る、という工夫は一般によく紹介されていますし、わたし自身も構築する予定でいます。でも、まだやっていないことを「やっています」とは書けません。
そして、水場がないまま6年経った今も、カエルは畝にいます。
- 草マルチ・15cm残し刈り・緑肥=やっている。ただし主目的は益虫だけではない
- 自然エリア=ある。ただしまだ未完成。これから作っていく
- 水場=まだ無い。作る予定
- つまり、益虫だけを狙った専用の工夫は、ひとつもしていない

花は「品種」より「数」|わが家で虫がいちばん集まっている場所
「どの花がどの益虫を呼ぶか」という対応表は、たくさんあります。でも、6年庭を見てきたわたしの実感は、もっと大ざっぱなものです。
いちばん集まるのはレモンの木と、夏野菜の花
わが家で虫がいちばん集まっている場所を挙げるなら、こうなります。
- レモンの木
- 夏野菜のキュウリやナス
花の種類ではなく、花がたくさん咲いているところに、虫はたくさん来ています。
花が多ければ多い植物ほど虫は集まっている——というのが、わたしのイメージです。クローバー系も、花が咲けばたくさん集まってきます。厳密に検証したわけではないので断定はできませんが、庭を見ていて受ける印象は、はっきりそちらです。
これは一般にも近いことが言われていて、多様な植物を混植した畑では、クモ類・ゴミムシ類・寄生蜂類・テントウムシ類・ヒラタアブ類など、多様な天敵が見つかったとされています。
なので、もしこれから花を増やすなら、「益虫を呼ぶ品種」を探すより先に、庭の花の総量を増やすほうが早いのではないかというのが、わたしの実感です。


実際に育てている花と、育てていない花
ここは、正直に分けて書きます。
| わが家で育てている花 | まだ育てていない花 |
|---|---|
| マリーゴールド/キンセンカ | ボリジ/ラベンダー/カモミール |
| クリムゾンクローバー/赤クローバー | ナスタチウム/ヒマワリ/ペチュニア |
| バジル(種取りのために咲かせた花) | ミント/ディル/フェンネル/パセリ |
| 雑草の花(ハコベ・ツユクサ・オオイヌノフグリ) | |
| 果樹の花(レモン・みかん) |


右側の花は、わたしが育てたことのない花です。一般には益虫を呼ぶ植物としてよく紹介されていますし、実際に効果があるとされていますが、わたしは一人称で語れません。
このうちミント・ディル・フェンネル・パセリについては、はっきりした理由があって育てていません。畝を侵食してしまう可能性があると聞いたことがあり、それで見送ってきました。以前この記事に「益虫を呼ぶハーブ5選」として並べていましたが、育てていないものを勧めるのは違うと思うので、今回まるごと外しました。

野菜との組み合わせで選ぶなら
マリーゴールドやキンセンカについては、益虫を呼ぶという話だけでなく、野菜との組み合わせ(コンパニオンプランツ)の話にもなります。
わが家ではセンチュウの被害を感じたことがありませんが、それをマリーゴールドだけの手柄にはしていません。同じ植物を密植しない、雑草を残す、生き物の多様性を保つ——そのすべてが重なった結果だと考えています。

季節の実感|虫の見頃は5月から梅雨にかけて
季節ごとの管理カレンダーも、以前この記事には載せていました。でも、教科書を書き写した部分が多かったので、わたしが実感として語れることだけに絞り直しました。
語れない季節は、空けてあります。
| 時期 | わが家の実感 | 一般に言われていること |
|---|---|---|
| 2〜3月 | レモンの木の枝で、カマキリの卵鞘を見つけた | 秋に産卵し、卵鞘のまま冬を越すとされる |
| 4月〜連休 | テントウムシが増えてくる | 越冬した成虫が4月ごろから活動を始めるとされる |
| 5月〜梅雨 | 虫の見頃。いろんな益虫が集まってくる | — |
| 夏 | 比較的大きな虫が集まる。テントウムシは少し減る(隠れている?) | テントウムシ類は春と秋に多く、夏に少なくなるとされる |
| 秋 | (実感として語れることは、特にありません) | カマキリは秋に産卵するとされる |
| 冬 | ほとんど見なくなる。土の中にクモがいるくらい | — |

やはり虫の見頃は5月から梅雨時期にかけてですね。いろんな益虫が、みどころのある虫がいっぱい集まってくる。夏も比較的大きな虫が集まってくるので、見ていて飽きないです。
「見頃」という言い方をしてしまうあたり、もう害虫対策の話ではなくなっている気もします。でも、それがいちばん正直なところです。桜の見頃を待つのと同じ感覚で、わたしは5月を待っています。
冬にほとんど姿を見なくなるのも、庭が悪くなったわけではありません。カマキリは卵で、テントウムシは成虫で、それぞれどこかで春を待っているのだと思います。だから冬に枝や落ち葉をきれいにしすぎないほうがいい、というのは、実感としても納得できる話です。
害虫が出たときは|わが家の基本は「益虫に任せる」
「害虫が出たらどうするのか」——ここが気になる方も多いと思います。
ただ、その各論はこの記事の担当ではありません。害虫との向き合い方だけを6年分書いた記事が別にあるので、ここでは考え方だけを短くお伝えします。
わが家の基本は、益虫に任せるです。
- 手を出すのは、定植した直後の苗が食べられているとき(未熟な苗は致命傷になりやすいので)
- 葉を食べる葉物(白菜・キャベツ)のアオムシは、見つけたら早めに取る
- それ以外、育った株はだいたい放っておく
害虫はゼロにはなりません。 でも6年やってきて、数は確実に減りましたし、少し増えても長続きしなくなりました。益虫がいるからだと思っています。
なお、以前この記事には「アブラムシが出たらデンプンスプレーで対処するのもOK」と書いていましたが、わが家では今、デンプンスプレーは全くやっていません。益虫が増えて、アブラムシの大量発生そのものが減ったからです。ビールトラップも使ったことがないので、今回削除しました。

さいごに|益虫も害虫も、みんな必要
この記事を書くにあたって、自分でも改めて考えてみました。「益虫を呼ぶ」という言葉に、なぜ違和感があるんだろう、と。
たぶん、こういうことです。

益虫と自分の関係、というよりも、すべての生き物が互いに生かし合っているんだと思います。益虫を活かすためにも、害虫はなくてはならないもの。害虫を避けてはいけない。敵じゃない。益虫を呼ぶためには、害虫も必要。みんな必要。その生命の循環が、環境を作っていく。
「益虫」と「害虫」という分け方は、人間が勝手にしたものです。テントウムシにとってアブラムシはごはんですし、カエルにとってはミミズもごはんです。誰かの害虫が、誰かの命綱になっている。
水田でも、クモや昆虫をカエルが食べ、そのカエルをヘビが食べ……という食物連鎖で、多くの生き物がつながり合って生きているとされています。畑も、たぶん同じです。
だから、この記事の結論はこうなります。益虫を呼ぶ工夫を探す前に、庭に循環があるかどうか。虫が来る庭は、虫が食べるものがある庭です。
「となりのトトロのような庭」というのは、人間だけのための庭ではありません。益虫も害虫も雑草も、みんな畑を育てる住人です。
そして、わが家にもまだ宿題があります。手をつけない自然エリアは、まだ未完成です。水場も、これから作る予定です。 6年やっても、まだやっていないことのほうが多い。でも、それでもテントウムシは春先にいっぱいいるし、カマキリは毎年レモンの木にいます。
だから、これから始める方も、あせらなくて大丈夫です。花を全部揃えなくても、池を作らなくても、土を裸にしないで、雑草を少し残しておくだけで、庭はゆっくり変わっていきます。
かつてのわたしの庭は、殺風景でした。虫がいないか気になって仕方がなくて、しんどかった。今は、見ていて飽きません。その差は、たぶん、そういうところから生まれています。

赤クローバーの茂みでテントウムシを見つけた朝のことを、コラムにしています。赤クローバーの茂みで見つけた小さな背中もどうぞ。
失敗しても大丈夫です。来年また種をまけばいい——それがずぼら菜園の気楽さです。
この記事が、みなさんの庭づくりのヒントになれば嬉しいです。また次回も、自然農法の視点から家庭菜園を楽しむヒントをお届けします。コメント・お気に入り登録もよろしくお願いします。
