家庭菜園に花を取り入れる|自然農6年で分かった“観賞と実用”の楽しみと、虫が集まる庭の作り方【無農薬・無肥料】

野菜だけの畑は、なんだか殺風景に見えませんか?
花を植えてみたいけれど、手間が増えそうで踏み出せない——そう思っていませんか?
そもそも、どの花を植えればいいのか分からない——という方も多いはずです。
こんにちは。無肥料・無農薬・不耕起栽培で、自然に寄り添う家庭菜園を実践しているダイヤンです。
インターネットには「家庭菜園におすすめの花◯選」という記事があふれています。でも正直に言うと、わたし自身が“花として”実際に育てているのは、そんなにたくさんの種類ではありません。この記事では、育ててもいない花をずらりと並べる代わりに、6年の自然農でわたしが本当に育ててきた花——マリーゴールド、キンセンカ、クローバー、そして雑草の花たち——の話をします。
そして、いちばんお伝えしたいのはこれです。花を増やして得られた最大のメリットは、実は「収穫が増えること」ではありませんでした。虫が集まり、見ているだけで心が和む、居心地のいい庭になったこと。毎朝、畑に出るのがほのぼのと楽しみになったこと。その正直な実感を、余さずお届けします。

なぜ花を植えるのか|“多様性が畑を豊かにする”という考え方
「野菜の畑に花なんて、無駄では?」と思われるかもしれません。でも、自然農を6年続けてきて、わたしは花を「畑にとって意味のあるメンバー」だと感じています。
正直に言うと、花を植える動機は一つに絞れません。花ごとに役割が違うからです。センチュウ対策になってくれる花もあれば、土を肥やしてくれる花もあり、ただ見ていて心が和む花もあります。
ただ、どの花にも共通して、わたしがそうだと考えていることが一つあります。それは——
わたしが花を植える理由(考えていること)
- 花を増やすと、庭の生き物の多様性が増える
- 多様性が増えると、畑が豊かになる
- その結果、特定の害虫だけが大量発生するのを防げるのではないか——と考えている(断定はできない)
これはあくまで「そう考えている」ことで、「花を植えれば害虫が必ず抑えられる」と言い切れるものではありません。マリーゴールドのセンチュウ対策と同じで、草マルチ・緑肥・益虫・輪作といった自然農の営み全体が組み合わさって、はじめて畑が落ち着いてくる——そういう感覚です。
だからこそ、わたしにとって花を畑に植えることには、ちゃんと意味があります。
花がどんな虫を呼び、益虫が集まる庭がどう回っているのか——その仕組みや、花と野菜の相性・組み合わせの実例は、別の記事でくわしく書いています。






わが家で“実際に育てている花”|正直な棚卸し
ここが、この記事でいちばん正直にお伝えしたいところです。冒頭でも書いたとおり、わたしが花として実際に育てているのは、次の顔ぶれです。
| 花 | 主な役割 | 植えている場所 |
|---|---|---|
| マリーゴールド | センチュウ対策・彩り | 畝の上(特にナス科の場所) |
| キンセンカ | 秋〜春の彩り・マリーゴールドのバトン先 | 畝の上 |
| クリムゾンクローバー・赤クローバー | 緑肥(土を肥やす)・彩り | 畝の周り |
| ツユクサ・ハコベ(雑草の花) | 保湿・雑草の侵入をふせぐ・観賞 | 畝の中や外に自然に |
| レモンなど柑橘の花 | 受粉・香り | 果樹として庭に |
| バジルの花 | 種取り時に咲かせる・虫を呼ぶ | トマトの株元など |
マリーゴールドとキンセンカ
マリーゴールドは、冬以外はいつも畝の上にいる状態をキープしています。秋になって元気がなくなってきたら、キンセンカにバトンタッチ。この2種類で、畑の彩りをほぼ一年中つないでいます。
母の日に、子どもがアフリカンマリーゴールドをプレゼントしてくれたことがありました。今ではその花の様子を見に、子どもが畑へ足を運ぶ回数が増えています。花が畑に植えられて、立派に生きていく過程を子どもが見られる——そういう環境そのものが、いいなと感じています。



クローバー(クリムゾン・赤)
クローバーは緑肥として、畝の周りに植えています。マメ科なので土を肥やしてくれますが、それだけではありません。クリムゾンクローバーの赤い花には存在感があって、庭を彩ってくれます。緑肥としての詳しい働きや選び方は、別記事にゆずります。






雑草の花(ハコベ・ツユクサ・オオイヌノフグリ)
わたしは、雑草の花も“庭の花”だと思っています。憧れのハコベの小さな白い花、大好きな濃い青のツユクサ、早春に咲くオオイヌノフグリの青——これらは、植えたわけでもないのに庭に咲いてくれます。どちらも主張しすぎない大きさで、世話をしていないのにひっそり咲く姿がなんとも愛らしい。小さな花の中に自然の美しさが詰まっていて、見ているだけで心が和みます。雑草を資源として付き合う考え方は、別記事にまとめています。






レモンなど柑橘の花
果樹の花も、庭を彩る大切な花です。レモンの花は、華やかで癒される香りがします。果樹そのものの育て方や品種の話は、別記事にまとめています。






バジルの花
バジルは、基本はハーブとして葉を使うので、花が咲く前に摘んでいます。ただ、シーズンの最後には、翌年のために種を採りたいので花を咲かせます。そのときは、バジルの花にミツバチが集まってくるのを見ることができます。
そして——“まだ育てていない花”のこと
ここは正直に書きます。ボリジ、ラベンダー、カモミール、ナスタチウム、ヒマワリ、ペチュニアといった花は、家庭菜園でよく人気の花として紹介されますが、わたし自身はまだ育てていません。
たとえばボリジはミツバチが好む花として、ナスタチウムは葉も花も食べられる花として知られているとされています。でも、それらはあくまで一般的な情報で、わたしの畑での実感としてお話しできることは、まだありません。だからこの記事では、「わが家で育てている花」と「まだ育てていない花」を、はっきり分けてお伝えしています。
花はどこに植える?|“役割”で置き場所を決める
花を取り入れるとき、「花だけを集めた専用のエリアを作らなきゃ」と思う方もいるかもしれません。でも、わが家には花専用のエリアはありません。花の役割に応じて、畝の適した場所に置いていく——それだけです。
- マリーゴールド・キンセンカ:センチュウ対策になるので、畝の上、とくにナス科の野菜をしっかり育てている場所に置きます。
- クリムゾンクローバー・赤クローバー:緑肥なので、畝の周りに。
- ツユクサ・ハコベ(雑草の花):畝の中に生えても、野菜の生育を邪魔しない程度なら残します。畝の外に咲いたものも、極力そのままに。背が高くなってきたら軽く刈る。それくらいの付き合い方です。
畑いっぱいに花を敷き詰めるのではなく、「この花はこの役割だから、ここ」と決めていく。野菜が主役の畑でも、これなら無理なく花を取り入れられます。
無肥料・不耕起で、花はちゃんと育つ?|手をかけない育て方
「ずぼら菜園」を名乗っている以上、ここは一番正直にお伝えしないといけません。結論から言うと、花も、野菜とほとんど同じ“放任”で育っています。
手入れはほぼしていない
マリーゴールドの手入れは、ほとんどしていません。たまに、傷んだ下葉や枯れた花を取って、風通しを良くしてあげる程度です。
本来は、8月末ごろに切り戻しや剪定をしてあげると、株が長持ちするとされています。でも、わたしはそれも、時間があるときに手をつける程度で、あまり気にかけていません。それでも、割と長く咲いてくれます。
水やりは“野菜のついで”
花のために毎日水やりをする、ということはしていません。野菜にストチュー水を散布するときに、花にも一緒にまいてあげる——それくらいです。自然農では、水やりはストチュー水を1〜2週間に一度ほど与える以外は基本的に不要なので、花も同じリズムで育っています。
こぼれ種・宿根で、勝手に毎年咲く
ずぼら菜園の真骨頂は、ここかもしれません。
キンセンカやマリーゴールドは、枯れた花をそのまま残しておくと、そこから種が落ちて、翌年また咲くことがよくあります。ただし、咲かない年も当然あるので、毎年きまって咲くわけではありません。それでも、種を採ってまき直さなくても、勝手に翌年の花に出会えるのは嬉しいものです。
畝の周りのクリムゾンクローバーや赤クローバーは、こぼれ種と宿根で、毎年しっかり咲いてくれます。畝の周り全部のエリアで咲くわけではありませんが、比較的毎年、同じあたりで顔を出してくれます。
手をかけていないのに、毎年どこかで咲いてくれる。これが、ずぼら菜園のいちばん嬉しいところです。
花で失敗した?|正直なところ、困ったことはほとんどありません
「花を増やすと管理が大変では?」——よく心配されるところなので、正直にお答えします。
わが家では、花が増えすぎて困ったことは、一度もありません。
クローバー系は、少し繁殖しやすい傾向はあります。でも、困るほどではまったくありません。もし増えてきても、刈ってそのまま草マルチの資材として使えるので、むしろありがたいくらいです。正直、もっと増えても全然かまわないと思っています。
ただし、一点だけ書き分けておきます。同じクローバーでも、シロツメクサ(白クローバー)などは繁殖力が強すぎて、庭に悪影響を及ぼすことがあるとも言われています。これはわたしの実体験ではなく、一般的にそう言われている話です。わが家で扱っている赤クローバーやクリムゾンクローバーについては、困った経験はありません。
「花を増やすと雑草のように収拾がつかなくなるのでは」と身構える必要は、少なくともわが家の花たちについては、ありませんでした。
花を増やして“本当に良かったこと”|虫が集まり、毎朝ほのぼのする庭に
花を増やして、わたしの畑が実際にどう変わったか。ここが、この記事でいちばん伝えたいことです。
まず、花に虫が集まるようになりました。ミツバチ、クマバチ、それ以外にもたくさんの種類の蜂や蝶が、明らかに増えました。
そして、その蝶を餌にするカマキリも増えました。昨年は、実際にカマキリの卵が庭で生まれていました。花が蝶を呼び、蝶がカマキリを呼ぶ——生き物のつながりが、目に見える形で庭に生まれてきたのを感じます。
受粉についても、今年は実付きがいいと感じています。とくにレモンは、違う品種の花もあることで、実つきがかなり良くなりました。
ただ、ここでも正直に書いておきたいことがあります。「花を植えたから収穫が◯割増えた」という言い方は、わたしにはできません。実付きが良くなったのは嬉しいのですが、それが花だけの手柄かというと、そうとは言い切れないからです。
そして——ここが本音なのですが。
花を増やして得られた一番のメリットは、実付きでも受粉でもありませんでした。
花がたくさんあることで、その蜜を集めに来る虫たちの姿を見るのが、毎日の楽しみになりました。見ているだけで癒される。毎朝、畑に出るのがほのぼのと楽しい。そういう、居心地のいい環境ができあがったこと——これが、わたしにとって何よりのメリットです。これは間違いありません。
正直なところ、実付きがどうとか受粉がどうとかよりも、この“環境が良くなった”ことのほうが、よっぽど大きなメリットだと感じています。
野菜と花が混ざり合い、虫が集まり、家族が畑に足を運ぶ。そういう庭は、わたしが目指している「となりのトトロのような庭」に、少しずつ近づいている気がします。






さいごに
花があることによるメリットは、とても大きい——この記事を読んでくださったみなさんには、よく伝わったのではないかと思います。
わたし自身、これからも庭と家庭菜園に、もっともっと花を増やしていく予定です。景観や居心地を重視した花もあれば、ひまわりやクローバーのように緑肥の役割を果たしてくれる花もあり、さまざまです。今後も、花を取り入れて得られたメリットや、みなさんの役に立つ内容をお届けしていけたらと思っていますので、楽しみにしていてください。
失敗しても大丈夫です。来年また種をまけばいい——それがずぼら菜園の気楽さです。
この記事が、みなさんの花のある家庭菜園づくりのヒントになれば嬉しいです。また次回も、自然農法の視点から家庭菜園を楽しむヒントをお届けします。コメント・お気に入り登録もよろしくお願いします。



無肥料・無農薬・不耕起栽培で、自然に寄り添う家庭菜園を実践(自然農歴6年)。関西の約100㎡・真砂土の庭で、野菜と花と虫が同居する「となりのトトロのような庭」を目指しています。
