6年・約300回撒いてわかった|ストチュー水の正直な効果と作り方・希釈【自然農の人工夕立】

「夏の水やりが毎日大変で、週末しか畑に行けないのに追いつかない」
「ストチュー水って聞くけど、結局なにに効くの?害虫よけ?」
「作り方や希釈倍率を調べても、サイトごとに数字がバラバラで迷う」
こんにちは。無肥料・無農薬・不耕起栽培で、自然に寄り添う家庭菜園を実践しているダイヤンです。
ストチュー水は、酢・焼酎・木酢液を混ぜて薄めた、自家製の葉面散布液です。わが家では6年間、週に1回これを撒き続けてきました。累計すれば300回近くになります。
ただ、最初にいちばん大事なことをお伝えします。わが家では、ストチュー水を「害虫をやっつける薬」としては使っていません。「ミネラルを含んだ人工の雨」——夏の夕立の代わりとして、野菜に元気を届けるために撒いています。この記事は、その正直な実感を軸に、6年やってわかった作り方・希釈・効果を、できるだけ正確にまとめた「わが家の決定版」です。

なお、自然農そのものの考え方や全体像は、別の記事でまとめています。



まず結論|ストチュー水レシピカード(材料・配合・希釈・頻度)
調べに来た方が3秒で分かるよう、わが家の基準をまとめておきます。詳しい理由や作り方は、このあとの本文で順番に解説します。
| 項目 | わが家の基準 |
|---|---|
| 材料(原液) | 酢・焼酎・木酢液 |
| 配合比 | 1:1:1(焼酎だけ気持ち少なめ) |
| 使う酢・焼酎 | ミツカン穀物酢/麦焼酎25度 |
| 希釈倍率 | 300〜1000倍(迷ったら薄めから) |
| わが家の基本 | 水7Lにキャップ3杯(約300倍) |
| 頻度 | 週1回(土日のどちらか) |
| 時間帯 | 早朝または夕方(日中は避ける) |
| 使う水 | 雨水または塩素を抜いた水道水 |
ひとつだけ補足です。ストチュー水は「これさえ撒けば水やりが要らなくなる」魔法の水ではありません。土の表面を草で覆う「草マルチ」で水分を保ちながら、その上で週1回ストチュー水を撒く。この合わせ技ではじめて、週末だけの水やりが回るようになります。草マルチについてはのちほど触れます。
ストチュー水とは?「人工の夕立」という考え方
ストチュー水という名前は、「酢+焼酎(しょうちゅう)」から来ています。これに木酢液を加えて薄め、野菜の葉や株元に撒きます。
わたしがストチュー水を知ったのは、自然菜園を提唱されている竹内孝功さんのネット上の情報でした。説明を読んでいて、ストンと腑に落ちた一文があります。ストチュー水は、ミネラル・酢酸・アルコール・ポリフェノールを含んだ人工の雨、夕立の代わりになる資材だ、という説明です。「これだ」と思いました。
最初、わたしもストチュー水を「自然派の農薬」のようなものだと思っていました。でも実際に6年使ってみて、いちばんしっくりくるのは「夕立の代わり」という捉え方です。一週間まったく雨が降らず、暑く乾いた日が続いたあとに撒く。そう考えると、撒いている自分まで気持ちよくなってくるんです。
そして何より、自宅にあるもので簡単に作れました。木酢液だけは買う必要がありますが、わが家は実家の近くに備長炭を作っているところがあって、そこから安く分けてもらっています。
ここからは、3つの成分がそれぞれどんな役割を持つとされているのか、整理しておきます。効果のほどには正直わからない部分もあるので、「こう言われている」という距離感で読んでください。
酢(酢酸)|葉の表面を弱酸性に保つとされる
酢に含まれる酢酸には、古くから抗菌・防腐の働きがあるとされています。葉の表面に撒くと表面が弱酸性に傾き、病原菌にとって居心地のよくない環境になる、と言われています。実際、イネの種子消毒など一部の用途では効果が実証されている成分です。
3つの成分のうち、国の制度(後述)で「病害虫への効果あり」と位置づけられているのは、この食酢だけです。
焼酎|においで虫を遠ざける
焼酎のアルコールには、においで虫を遠ざける働きが期待されています。
ただし正直にお伝えすると、ストチュー水は300〜1000倍に薄めて使うので、その中のアルコール濃度はごくわずかです。消毒用アルコールのような殺菌力を期待できる濃度ではありません。だからわが家では、焼酎は「殺菌のため」というより「ほんの少しの虫よけ」くらいの位置づけで考えています。
木酢液|土と微生物を応援する役
木酢液は、木炭を焼くときに出る煙を冷やして集めた液体です。有機酸を中心に多くの成分を含み、薄めて使うと土の中の有用な微生物のエサになり、微生物を元気にするとされています。
実は木酢液は、有機栽培の規格上は「病害虫を防除する資材」ではなく「土壌改良の資材」として扱われています。つまり、虫や病気をやっつけるためのものというより、土と微生物を応援する役と考えるのが、本来の位置づけに近いのです。わが家でも、木酢液はそういうつもりで入れています。
ストチュー水の作り方|原液の配合と保管
ここからは実際の作り方です。本物の手順なので、順番に沿って作ってみてください。
酢・焼酎・木酢液を、計量カップで同じ量ずつ量ります。目分量ではなく、きちんと量るのがおすすめです。
3つを容器に入れて軽く混ぜれば、原液の完成です。わが家では、使い切ったミツカンの800mlの空き容器を使っています。口が広くて注ぎやすいので便利です(内蓋式のキャップだけは、ちょっと扱いにくいのが難点です)。
直射日光の当たらない、常温の冷暗所で保管します。保存の目安は半年。わが家ではそれ以上置いても、変質したり変な匂いがしたりという経験はありませんが、念のため半年で使い切れる量を作るのがおすすめです。



配合のコツ|焼酎は「気持ち少なめ」にしている
基本は1:1:1ですが、わが家では焼酎だけ気持ち少なめにしています。これには、ちょっとした失敗が理由としてあります。
以前、原液があまるのが嫌で、焼酎を多めに——おそらく1:1:1.5より多いくらいに——入れて作ったことがありました。それを撒いた直後の話です。定植したばかりで株がまだ小さい、梅雨入りが早かった年でした。夕方にストチュー水を撒いて、その夜にたまたま畑に出てみたら、ピーマンやナスの葉の上にも株元にも、かなりの数のナメクジがいたんです。
普段はそこまで増えたことがなかったので、焼酎を多めにしたストチュー水が原因だろうと感じました。アルコールに引き寄せられたのかもしれません。それ以来、配合はきちんと守り、焼酎はむしろ気持ち少なめにしています。同じことは起きなくなりました。
ちなみに、草マルチをしているとナメクジが完全にいなくなることはありません。でも、年々減ってきているのは確かに感じます。理由ははっきりとは分かりませんが、カエルや鳥が増えて、生き物のバランスが取れてきたからかな、と思っています。
木酢液は「安さだけ」で選ばない
木酢液は、ストチュー水の材料の中で唯一「買ってくる」ものです。だからこそ、選び方には少し気をつけています。
木酢液は、製造の工程によっては体によくない成分が混じることがあるとされています。また、安く売られているものの中には、不純物を取り除く工程(採取後に一定期間ねかせるなど)が省かれている場合があります。木竹酢液の認証を受けた製品など、原木からきちんと作られ、不純物が除かれたものを選ぶと安心です。土と、自分の体に入れるものですから、ここはケチらないようにしています。
わたしが使っている木酢液はこちらです。
散布を1〜2分で終わらせる道具と手順
毎週のことなので、撒くまでの作業はとことん効率化しています。正直に言うと、普通の水やりに「希釈する」工程が増えるぶん、ストチュー水は手間がかかります。だからこそ道具で解決しました。
わが家で使っているのは、次の3つです。
- 200Lの折りたたみ式貯水タンク(水を汲み置きして日光で塩素を抜く)
- 12Lの目盛り付きバケツ
- 10Lのジョウロ
貯水タンクに水を溜め、日光に当てておきます。これで水道水の塩素が抜けます。雨水が溜まっていればそれを使います。
目盛り付きバケツに水を7L汲み、そこにストチュー水の原液を入れます。わが家の基本は、原液をキャップ3杯(約300倍)。容器のキャップ1杯がだいたい7mlなので、これが計量スプーン代わりになります。微生物活性液を一緒に使うときは、原液2杯+活性液1杯にしています。最近はこの活性液入りのほうが多いです。
バケツの中身を10Lのジョウロに移し替えます。この移し替える動作で自然と混ざるので、わざわざかき混ぜる必要がありません。ここが地味に効く時短ポイントです。
葉の表裏、株元、株の周りと、ゆっくりしっかり撒いていきます。






毎週使う道具はこの2つが定番です(バケツとジョウロ)。
一緒に使っている微生物活性液は、ヨーグルト・納豆・ドライイーストなどから自宅で作れるものです。作り方は別記事にまとめています。



草マルチ+ストチュー水で「水やりを週1に」する
冒頭でも触れましたが、ここが週末菜園にとっていちばん大事なところです。
ストチュー水は「雨の代用」ですが、それだけで毎日の水やりが要らなくなるわけではありません。鍵になるのが草マルチです。刈った草を畝の上に敷いておくと、土が直射日光から守られて乾きにくくなります。土の水分を草マルチが保ち、その上で週1回ストチュー水で人工の夕立を降らせる。この2つがそろってはじめて、「週末しか畑に行けない」という条件でも野菜が夏を越せるようになります。
草マルチの詳しい敷き方や仕組みは、専用の記事にまとめています。



なお、何日も雨が降らず本格的に乾ききってしまったときは、週1回の散布だけでは足りません。そういう干ばつ時に、一株あたりどれくらいの水をどう与えるかは、水やりの記事で詳しく解説しています。



6年・約300回続けてわかった正直な効果
ここがこの記事でいちばん正直に書きたいところです。効果を保証することはできませんし、誇張もしたくありません。「効いていると感じること」と「正直わからないこと」を、分けてお伝えします。
効いていると感じること
撒いた直後から、野菜が明らかに元気に見えます。葉の先までピンとして、しっかり水分を吸っているのが伝わってきます。普通の水やりだと、暑くなってくるとすぐにへたっとしてくるのですが、ストチュー水はその元気が長続きする感じがあるのです。
数年前、どれくらい違うのかを確かめたくて、ナスの株で見比べたことがあります。ストチュー水を撒いた株と、塩素を抜いた水道水だけを撒いた株。葉のツヤの違いは、目で見て分かるほどでした。そして何より、葉の寿命が長い。葉が落ちずに元気な状態が長く続いたのが印象的でした。病気の予防にもなっているように、わが家では感じています。
正直わからないこと
一方で、よく「ストチュー水は害虫よけになる」と言われますが、わが家ではその効果は正直わかりません。
というのも、自然農を参考にするようになってから、テントウムシのような益虫が増えて、そもそもアブラムシが大量発生しなくなったんです。野菜にはほとんどつかず、畝の周りにたまに生えるセイタカアワダチソウやホトケノザにつくくらい。だから「ストチュー水のおかげでアブラムシが寄らない」のか「益虫のおかげ」なのか、切り分けられないのです。
それに、少し勢いの弱い株にはホオズキカメムシのような大きめの虫がつきますが、こういう虫にはストチュー水はまったく効きません。
だから、わが家での位置づけはこうです
正直に言うと、わが家ではストチュー水に害虫よけの効果は期待していません。ミネラルを届け、葉面散布で良い微生物を活性化させる——そのための「雨の代用」として使っています。
では害虫対策はどうするのか。それは、相性のよい植物を組み合わせるコンパニオンプランツや、生き物の多様性を育てて益虫を呼び込むこと。そうやって持続的に虫と折り合っていくほうが、わが家には合っていました。



ちなみに、わたしが影響を受けた竹内さんご自身も、ストチュー水(ストチュウ)について「農薬の代わりではなく雨水の代わり」という趣旨のことを書かれています。別々に使い込んだ結果、同じ場所にたどり着いたのだな、と感じています。
ストチュー水のよくある疑問
Q1. うどんこ病やアブラムシに効きますか?
ストチュー水に殺虫効果はないとされています。あくまで予防的・補助的なものと考えてください。病気も、すでに広がってしまったものを治すというより、元気な株を保って病気にかかりにくくする、という距離感です。前述のとおり、害虫対策はストチュー水以外の方法(益虫を増やす、コンパニオンプランツ)を主役にするのがおすすめです。
Q2. 木酢液だけではダメですか?
木酢液だけでも、土や微生物の応援には使えます。ストチュー水は、そこに酢と焼酎を足したブレンドです。劇的に効果が上がるという確かな証拠があるわけではありませんが、わが家では長年このブレンドを続けています。
Q3. 保存はどれくらいきますか?
原液は、日の当たらない冷暗所で半年が目安です。酢とアルコールが入っているので、わが家ではかなり日持ちしています。ただし、水で薄めた散布液は作り置きしません。その日に撒く分だけ作り、使い切ります。特に微生物活性液を入れた場合は傷みやすいので、汲み置きのまま放置しないようにしています。
Q4. ペットや小さな子どもがいても大丈夫ですか?
薄めて使う分には、概ね問題ないとされています。ただし原液は強い酸性で、アルコールも含みます。子どもの手の届かない場所に保管し、目や肌につかないよう気をつけてください。撒いた直後は木酢液のにおいが少しするので、ペットが嫌がるかもしれません(わが家では、においはそれほど強くなく、嫌な匂いではないと感じています。ただご近所と距離が近い場合は、最初は少し気になるかもしれません)。
Q5. 畝立てのときに使う木酢液と同じものですか?
液体としては同じ木酢液ですが、使い方はまったくの別物です。畝を立てるときに土を整える目的で使う木酢液は10〜50倍という濃いもので、これは土壌向けの使い方です。ストチュー水の葉面散布は300〜1000倍。濃さも目的も違うので、混同しないようにしてください。畝立て時の使い方は別記事にあります。



Q6. 濃すぎるとどうなりますか?
これは実体験があります。古くなった原液を処分しようと、ほとんど薄めずに(4分の1〜3分の1くらいの超高濃度で)雑草に撒いたことがあるのですが、翌日には茶色く、完全に枯れていました。ストチュー水は、濃ければ植物を枯らす力すらあるということです。だから希釈はしっかり守ってください。逆に、薄すぎて困ったことは一度もありません。慣れないうちは薄めから始めるのがおすすめです。
Q7. いくらくらいで作れますか?
ネット上の価格から計算すると、7L分でおよそ15円ほど(水道水・穀物酢・木酢液・麦焼酎を合わせて)とされています。わが家の場合は木酢液を安く分けてもらっているので、1回あたり10円もかかりません。市販の活力剤やスプレーを買うことを思えば、かなり気軽に続けられます。
Q8. 梅雨の時期はどう使えばいいですか?
雨が多い時期は、撒いてもすぐ流れてしまうので頻度は落とします。梅雨ならではの病気対策とあわせた考え方は、梅雨の記事にまとめています。



さいごに
ストチュー水について、わが家の6年分をまとめてきました。
最後に、わたしがいちばん伝えたいことを。ストチュー水は、野菜の生命をつなぐものだと思っています。年々厳しくなる夏の暑さを耐え忍ぶ力を、この一杯で少しずつ作っていく。撒くときは葉面・株元・株周りと、ゆっくりしっかり。
強い野菜は、何か一つの魔法で育つのではなく、一つひとつの小さな作業の積み重ねで育っていきます。ストチュー水の散布は、その中の大切な一手です。
そして正直なところ、わたしはこの作業が好きです。毎日「水やりをしなきゃ」と義務に追われるのと、週に一度、時間のあるときにゆっくり人工の夕立を降らせるのとでは、心の持ちようがまるで違います。撒きながら野菜をじっくり眺める時間は、家庭菜園の中でもいちばん好きな時間かもしれません。
費用は1回十数円、作業は道具をそろえれば1〜2分。難しく考えず、まずは薄めの一杯から、気軽に試してみてください。
失敗しても大丈夫です。来年また種をまけばいい——それがずぼら菜園の気楽さです。
この記事が、みなさんの家庭菜園のヒントになれば嬉しいです。また次回も、自然農の視点から家庭菜園を楽しむヒントをお届けします。コメント・お気に入り登録もよろしくお願いします。
無肥料・無農薬・不耕起栽培で自然に寄り添う家庭菜園を実践(自然農歴6年)。温暖地の約100㎡の庭で、週1回のストチュー水と草マルチを軸に、水やりに追われない家庭菜園を楽しんでいます。
