キャベツ育苗|追肥をしない畑で結球するまでの6年と、8月中旬にまくわが家の手順【自然農の実体験】

キャベツがなかなか結球しない。外葉ばかり大きくなって、いつまでも球にならない——そんな経験はありませんか?
追肥をしない自然農では、そもそも巻かないのではないか。種まきはいつがいいのか。せっかく育てた苗が、畑に植えた直後に消えてしまうのはなぜか。
こんにちは。無肥料・無農薬・不耕起栽培で、自然に寄り添う家庭菜園を実践しているダイヤンです。
わが家も、まさにそうでした。自然農を始めた最初のころ、キャベツは巻かなかったのです。
キャベツは本来、結球が始まる前に追肥をする野菜だとされています。でもわが家は肥料を与えません。基本的に放っておいたまま、6年。最初のころは巻かなかったキャベツが、いまはほとんど結球するようになりました。
この記事では、その6年でわかったことを軸に、種まきの時期・育苗中の管理・定植直後の守り方までを順を追ってお話しします。作型や結球のしくみといった一般論も添えますが、主役はあくまで「わが家の畑で実際にどうだったか」です。
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セルトレイで育った結球野菜の苗を、引きで1枚(★旬=8月下旬〜9月上旬の育苗中)。撮影年を添えてください。
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巻かなかったキャベツが、巻くようになるまでの6年
この記事でいちばんお伝えしたいのは、テクニックではなく時間の話です。
最初のころ、キャベツは巻かなかった
自然農を始めてしばらくのあいだ、わが家のキャベツは結球しませんでした。外葉は育つのに、内側が立ち上がってこない。原因として思い当たることが2つあります。
ひとつは、結球前の追肥をしなかったこと。一般的な栽培方法では、結球が始まる前に追肥をして球を太らせるとされています。わが家は自然農を始めてから、そこを基本的に放置していました。
もうひとつは、土そのものがまだできていなかったこと。当時の畑は、真砂土の上に入れた土を耕してやわらかくしても、雨が降ればすぐ固まるような状態でした。栄養が足りていなかったのだと思います。
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外葉ばかりが広がって巻いていないキャベツ(★ある年に撮れたら。無理に用意しなくて大丈夫です)
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追肥をしないまま、巻くようになった
やり方を変えたわけではありません。追肥は今もしていません。それでも最近は、ほとんど結球するようになりました。
変わったのは土のほうです。草マルチを敷き、雑草の根を残し、緑肥をまき、米ぬかをまく——そのくり返しで、6年かけて土が育ちました。キャベツのために特別なことは、何もしていません。
ただし、これを「自然農にすれば結球する」と言い切ることはできません。土の変化・気候・品種、いろいろなものが重なった結果としての、わが家の実感です。同じことをすれば必ず巻く、というお話ではありません。
それでも、6年前の自分に伝えたいことがひとつだけあります。巻かないのは、腕が悪いからではなく、土がまだ若いからかもしれない、ということです。

巻き始めるのは10月ごろ、気温が15℃近くまで下がったころ
「もう巻いてきたな」と気づくタイミングは、葉の枚数ではなく時期と気温で見ています。
品種や株の状態にもよりますが、わが家ではだいたい10月ごろ、気温が15℃近くまで下がってきたあたりで巻き始めるという印象です。
これは一般に言われていることとも合っていて、キャベツの球が太る温度帯はおおむね7〜28℃とされています。気温が下がってきたら、内側の葉が立ち上がってくるのを待つ時期に入った、という目安になります。
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巻き始めたキャベツを上から1枚(★旬=10〜11月)。撮影年を添えてください。
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同じ日にまいて、キャベツのほうが順調に育つ
わが家では、キャベツ・白菜・レタスを同じ日にまきます。育てている量も、キャベツと白菜でだいたい同じくらいです。両方とも毎年つくっています。
レタスを一緒にまくのには、理由があります。レタスはキャベツと白菜の相棒(バンカープランツ)だからです。畝の中央に本命のキャベツと白菜を植え、その両脇にレタスを定植する。キャベツや白菜だけを植えるより、レタスを一緒に密植したほうが害虫の被害が少ないと感じています。ただし期待しすぎは禁物で、わが家でも防虫ネットは併用しています。株間の取り方や、効いた・微妙だった組み合わせはコンパニオンプランツの記事に正直にまとめています。
同じ日にまいて、同じ畝で、同じように育てる。それでもキャベツのほうが順調に育ちやすいというのが、6年やってきた実感です。
差が出るのは主に虫と病気です。白菜のほうが、虫や病気に若干やられやすいという印象があります。わが家でも、育てた白菜のうち1株が無数のアブラムシに食害されたことがありました。
キャベツもまったく無いわけではありません。でもキャベツは、しっかり定植して、そのあとアオムシなどにやられないように防虫ネットをかけておけば、白菜よりは順調に育ってくれます。
一般には、この2つには性質の違いがあるとされています。キャベツは多年草で根の再生力が強く移植によく耐えるのに対し、白菜は一年生で根の再生力が弱く、移植のショックを受けやすい——という説明です。わが家の実感とも、そう遠くない話だと感じています。
白菜側でどんな苦戦があったかは、白菜の記事にまとめています。

わが家の種まきは8月中旬——理想は7月中旬から
種まきの時期については、理想と実際がずれているということを正直に書いておきます。
理想は、7月中旬ごろから始めることです。早めに始めておけば、うまくいかなかったときにすぐまき直せるからです。育苗は一発勝負にしないほうがいい、というのが本音です。
ただし実際には、だいたい8月中旬ごろにまいています。早く始めようと思いながら、気づけばそのあたりになっている、というのが正直なところです。
なお、適期は地方や品種によって変わります。一般のカレンダーが幅を持たせているのはそのためで、「8月中旬」はあくまでわが家の数字として読んでください。
兼業で週末しか畑に出られないと、「理想の時期」はしばしば通り過ぎていきます。それでも収穫までたどり着いているので、多少遅れても、まけばなんとかなるくらいに構えています。
作型は3つあるとされていますが、わが家がやっているのは1つだけ
一般に、キャベツには次の3つの作型があるとされています。わが家がやっているのは、このうち夏の終わりにまいて秋から冬に穫るもの、ひとつだけです。
| 春まき(初夏どり) | 夏まき(秋どり) | 秋まき(越冬させて春どり) | |
|---|---|---|---|
| 種まき時期 | 早春 | 真夏 | 初秋 |
| 育苗容器 | セルトレイ→ポットに鉢上げ | ポットに直接まく | セルトレイ→ポットに鉢上げ |
| 定植の目安 | 本葉4〜5枚 | 本葉3〜4枚 | 本葉5〜6枚 |
| 最大の注意点 | 低温による花芽分化(春化) | 暑さによる徒長 | 越冬前に外葉を育てる |
※上の表は一般的な目安とされているものです。わが家は年に一度、夏の終わりにまく一本だけで、春まきや越冬させる作型はやっていません。作型ごとの注意点(春化・徒長)については、記事の後半でもう少し詳しく触れます。
秋にまく野菜全体の時期を見渡したいときは、地域別のカレンダーにまとめています。

育苗だけは、手を抜けない
「ずぼら菜園」と名乗っておいて言うのも何ですが、育苗だけは手を抜けません。
いちばん大変なのは、ほぼ毎日、ある程度は面倒を見てやる必要があるということです。乾燥しすぎて枯らしてしまうこともあります。これはキャベツにかぎった話ではなく、夏野菜の育苗でも同じです。畑の作業は週末にまとめられても、育苗中のポットだけは待ってくれません。
育苗の土は、買っています
畑には肥料を入れないわが家ですが、育苗の土は購入しています。
理由はひとつで、育苗が収穫に大きく影響していると考えているからです。ここはしっかりとした育苗用の土を使うようにしています。
以前は、コストを気にして育苗ポットに詰める土の量を減らしたりしていました。でも、鉢上げなどをきちんとやって大きく丈夫な苗に育ててから植えるようにしてから、明らかに結果が変わりました。育苗がいかに大事か、よくわかったという感覚です。
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いつも買っている育苗用の土の袋(通年で撮れます)。銘柄が写って差し支えなければそのままで大丈夫です。
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ポットの中では、水を絞って締める
育苗中の管理で気をつけているのは、次の2つです。
- 置き場所は、日当たりと風通しのよい場所が基本。狙いは徒長を防ぐことです。日差しが強すぎて干からびそうなときだけ、半日陰へ移して微調整します。固定せず、苗を見て動かします。
- 水やりは基本、朝のみ。夕方は、よほど干からびそうでないかぎりやりません。暑い時期は水が多いほど徒長しやすいので、水を絞って締めることを優先しています。
このあと出てくる「畑に下ろした直後」とは、やることがちょうど真逆になります。ポットの中では絞って締め、畑に下ろした直後は守る。同じ猛暑でも、局面によって手が変わります。
種まきから定植までの手順
ここからは実際の流れです。順番を入れ替えると意味が崩れるので、STEPで並べます。写真は2026年8月に、キャベツ・白菜・レタスの種を同じ日に下ろしたときのものです。
育苗容器に土を詰め、表面を平らにならします。詰めたあとに軽く押さえておくと、種をまいたときに深さがそろいます。

まく位置に、ペンなどの棒状のもので浅く穴をあけます。深さをそろえておくと発芽もそろいます。

あけた穴に種をまきます。1つの穴に3〜4粒ほどが目安です。
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穴に種を3〜4粒まいているところ(★撮影は2027年8月中旬の種まき当日)。2026年8月の撮影分はピントが外れて種が判別できませんでした。1枚で白菜の記事にも使えます。
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土をかぶせます。かけすぎないよう、うっすらで十分です。

たっぷりと水をやります。発芽までは乾かさないように気をつけます。

最後に手のひらで軽く押さえます。種と土を密着させるためのひと手間です。

発芽したら、生育のよいものを残して間引きます。本葉が2枚ほどになったら、より大きな容器へ鉢上げします。鉢上げのあとしばらくは遮光して、根が活着するのを助けるとよいとされています。
苗どうしの葉が触れ合うようになったら、容器の間隔を空けてください。葉が重なると光が足りなくなって徒長します。
定植直後がいちばん危ない
育苗でつまずく、と思われがちですが、わが家の実感は違います。ポットの中で消えるのではなく、畑に下ろした直後に消えるのです。
猛暑の年、定植した直後にキャベツ・白菜・ブロッコリーが消えてしまい、もう一度植え直したことがありました。
そのあと、消えなくなった決め手が2つあります。この2点が、いちばん効果がありました。
ひとつめは、育苗そのものを手抜きしないこと。前の章のとおりです。大きく丈夫な苗にしてから植えると、そもそも倒れにくくなります。
ふたつめは、定植直後に日陰をつくること。わが家では、防虫ネットを張った上に、刈った雑草をかぶせて日陰をつくります。定植直後の苗は水をうまく吸い上げられないので、残暑の直射日光をまともに当てるとやられやすいのです。
これは苗を甘やかすためではなく、守るための一手です。実際にやっていて、効いていると感じています。
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防虫ネットの上に刈った雑草をかぶせた畝(★旬=8〜9月の定植直後。いまが撮りどきです)。撮影年を添えてください。
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なお、定植直後の水やりは3日ほど我慢して、根が張るのを待つのがわが家の基本です。詳しくは定植の記事にまとめています。

結球が始まるまでにやっていること
定植したあと、結球が始まるまでのあいだにやっていることは多くありません。
草マルチを切らさない。株のまわりを厚めに敷いて、土を裸にしないようにします。厚さは5〜10cmが目安です。結球するまでは草に負けないよう、草マルチを強化します。
ストチュー水を週1回。自然農の水やりは、ストチュー水を週1回与える以外は基本的に不要です。雨のない日が続くときは、結球が始まるまでかん水します。配合や希釈倍率はストチュー水の記事にまとめています。
アオムシは防虫ネットとバンカープランツで。わが家では、アオムシ対策は防虫ネットと、前章のレタス(バンカープランツ)でしのいでいます。防虫ネットは定植したその日から掛けて、寒くなって虫の動きが鈍るまでそのままにしておきます。
米ぬかを足すなら、結球が始まる前まで。生育がゆっくりなときは、草マルチを厚くして米ぬかを少し足すくらいにとどめています。量は一株あたり一〜二握り、頻度は2〜3週に一度が目安です。結球が始まってから足すと病虫害に遭いやすくなるので控えます。
なお、わが家では油かすやぼかし肥料は使っていません(自然農では基本使わない資材です)。

キャベツが結球するしくみ——原産地から考える
ここまでは、わが家の実際のお話でした。最後に、そもそもキャベツがどういう野菜なのかを補っておきます。「なぜこの管理が要るのか」がわかると、うまくいかなかった年の理由も見当がつくようになります。
キャベツの原産地は、西ヨーロッパの地中海沿岸・大西洋沿岸だとされています。冬が比較的温暖で、寒い季節と暖かい季節がはっきり分かれている土地です。暑さに弱く冷涼を好むのに、低温にはよく耐える——という一見ちぐはぐな性質は、この生まれから来ているようです。ただし結球が始まると、耐寒性は多少弱くなるとされています。
温度との関係もはっきりしています。28℃以上の高温や7℃以下の低温では球の太りが鈍り、2〜3℃以下ではほとんど肥大しないとされます。わが家が「10月ごろ、気温が15℃近く」で巻き始めを感じるのは、ちょうどこの範囲のいちばん動きやすいあたりということになります。
もうひとつ、キャベツはもともと多年草です。そのぶん根の活性力が強く、移植にもよく耐えるとされています。白菜が一年生で移植に弱いのとは対照的で、わが家で「キャベツのほうが順調」と感じてきたことの背景には、この性質の違いもあるのかもしれません。
肥沃な土を好むとされる一方、過湿では根が傷みやすいともいわれます。土を育てながら、水は絞りぎみに——という自然農のやり方は、この野菜とは相性が悪くないのだと思っています。
なお、結球しなくなる原因としてよく挙げられるのが「春化」です。本葉がある程度の枚数になってから一定の寒さに遭うと花芽ができてしまい、球にならない、というもの。早い時期にまく作型で注意されるポイントで、わが家の作型ではここでつまずいた経験はありません。

原産地の気候を思い浮かべると、なぜ秋に巻くのかが腑に落ちます。
キャベツ育苗の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原産地 | 西ヨーロッパ(地中海・大西洋沿岸)とされる |
| 性質 | 冷涼を好む・多年草・根の再生力が強い |
| 結球の適温 | おおむね7〜28℃(2〜3℃以下でほぼ停止)とされる |
| 注意点 | 春化(低温による花芽分化)と徒長 |
| わが家の種まき | だいたい8月中旬ごろ(理想は7月中旬から。適期は地方・品種で変わります) |
| わが家が巻き始めを感じる時期 | 10月ごろ・気温15℃近く |
| 育苗中の水やり | 基本は朝のみ(水を絞って徒長を防ぐ) |
| 定植後の水やり | 3日ほど我慢→以降はストチュー水を週1回 |
| 草マルチの厚さ | 5〜10cm |
| 米ぬかを足すなら | 結球が始まる前まで・一株あたり一〜二握り(油かす・ぼかし肥料は使わない) |
さいごに
最初に挙げた3つの悩みに、わが家の答えを短く返しておきます。
- 巻かないのはなぜか——追肥をしていないことに加えて、土がまだできていなかったのだと思います。6年たった今はほとんど結球します。
- 種まきはいつか——理想は7月中旬から。実際はだいたい8月中旬ごろです。多少遅れても穫れています。
- 植えた直後に消えるのはなぜか——残暑の直射日光です。防虫ネットの上に刈った雑草をかぶせて日陰をつくると、消えなくなりました。
キャベツ育苗でいちばん大変なのは、ほぼ毎日、ある程度は面倒を見てやらないといけないことです。乾燥させすぎて枯らしてしまうこともあります。
それでも毎年つくっているのは、理由が2つあるからです。ひとつは、キャベツも白菜も、食卓で必ずといっていいほど使う野菜だから。もうひとつは、秋冬にアブラナ科をしっかり畝で育てておくと、翌年の夏野菜によい影響があると考えているからです。連作障害を起こしにくい環境をつくることにつながっている——というのが、わが家の実感です。
そして何より、しっかり結球してくれたときの達成感があります。ずっしりとしたキャベツを収穫したとき、しっかり育ててきてよかった、と思えるのです。
最初のころは巻きませんでした。追肥もしていません。それでも6年たって、ほとんど巻くようになりました。土が育つのを待つ時間も、家庭菜園のうちだと思っています。
失敗しても大丈夫です。来年また種をまけばいい——それがずぼら菜園の気楽さです。
この記事が、みなさんのキャベツ育苗のヒントになれば嬉しいです。また次回も、自然農法の視点から家庭菜園を楽しむヒントをお届けします。コメント・お気に入り登録もよろしくお願いします。

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