雑草を芝生代わりにする庭づくり|“0円グランドカバー”を芝生・クラピアと6年比べた正直な記録

グランドカバーは、「植える」ものだと思っていませんか。
クラピアの苗を何ポット買えばいいか計算して、合計額を見てそっとページを閉じた——もし心当たりがあるなら、この記事はきっとお役に立てます。
こんにちは。無肥料・無農薬・不耕起栽培で、自然に寄り添う家庭菜園を実践しているダイヤンです。
わが家の庭は、何も植えていません。もともと生えてくる雑草を、芝刈り機で刈り揃えているだけです。それでも6年で、裸足で歩ける緑のじゅうたんになりました。かかった費用は、芝刈り機の2〜3万円だけ。水やりも肥料も、一度もしていません。
実は「定期的に刈る」だけで、刈り込みに強い雑草が自然と優勢になり、芝生のような庭に近づいていきます。これは植物学的にも知られている現象で、わが家はそれを6年かけて実地で確かめてきました。この記事では、「植えない、選ばれるのを待つ」というわが家の庭づくりを、正直な記録としてお伝えします。
わが家が芝生もクラピアも「選ばなかった」理由
グランドカバーの作り方をお伝えする前に、なぜわが家が芝生でもクラピアでもなく「雑草」を選んだのか、その理由からお話しさせてください。ここに、この庭づくりのいちばん大事な出発点があります。
実家の芝生が教えてくれたこと
実は、わたしの実家の庭は、もともと芝生でした。物心ついたときにはもう敷かれていて、最初の数年は本当にきれいだったのを覚えています。その芝の上でパターゴルフをして遊んだり、お弁当を広げて食べたり——芝生は、家族の良い思い出の舞台でした。
ところが、そのきれいな状態が続いたのは、ほんの4〜5年でした。仕事や家事、子育ての忙しさに手入れが追いつかなくなり、芝生は少しずつ雑草に侵食され、やがて自然に消えていきました。今ではその庭は、コンクリートで埋められています。
その様子を小さい頃から見ていたので、わたしは芝生に憧れる気持ちを持ちながらも、「自分にきっちり手入れし続ける自信はない」と、どこかで分かっていました。
広い庭に芝生を張る費用も、現実的ではなかった
わが家の土地は、もともと農地だったこともあって、それなりの広さがあります。ここに芝生を張るとなると、費用もかなりかさみます。
一般的にも、高麗芝を業者に頼んで張る場合は1㎡あたり3,000〜6,000円程度が相場とされ、30㎡(約9坪)でも9万〜18万円ほどかかるとされています。わが家のような広さでは、とても気軽に出せる金額ではありませんでした。
そして芝生は、張ったあとも大変です。一般に、生育期(5〜10月)の芝刈りは月1〜2回、真夏はもっと頻繁に必要とされ、それに加えて水やり・施肥・サッチング(枯れ草を掻き出す作業)・エアレーション(土に穴を開ける作業)・目土入れと、季節ごとの作業が続きます。芝刈りだけで年間20時間以上を費やす家庭も少なくないとされています。
実家の芝生がたどった道を思えば、わが家で同じことを繰り返すのは目に見えていました。だからわたしは、まず無難に「真砂土」を選んだのです。
芝生やクラピアを検討中の方は、苗代や年間の手間を一度ざっくり計算してみてください。「きれいに保てるか」を冷静に考えると、選択肢が変わるかもしれません。



芝生 vs クラピア vs 雑草グランドカバー|6年見てきた正直比較
「雑草を芝生代わりに」と言われても、クラピアのような専用のグランドカバーと比べてどうなのか、気になりますよね。わが家で実際に見てきたことと、一般に言われていることを合わせて、正直に比較してみます。
| 項目 | 高麗芝(芝生) | クラピア | 雑草グランドカバー(わが家) |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 高い(苗・目土・施工) | やや高い(苗が高め) | ほぼ0円(道具のみ) |
| 植物代 | かかる | かかる | 不要(もともと生えている) |
| 水やり | 必要(夏は特に) | 定着まで必要 | 不要 |
| 肥料 | 必要 | あると良い | 不要 |
| 刈り込み | 多い(月1〜2回〜) | 少なめ(年1〜2回とされる) | 中(2〜3週に一度) |
| 踏みつけ | 強い | 強い(踏むほど密に) | 強い(草種による) |
| 冬の見た目 | 茶色く休眠 | 品種により枯れ込み | 草種により変化 |
| 家庭菜園との連動 | しにくい | しにくい | 刈り草が草マルチに |
※あくまでわが家の体感と一般情報を合わせたものです。費用や手間は環境によって変わります。
クラピアは優秀。ただし「買う・植える・管理する」前提
念のため申し添えると、クラピアそのものは優秀なグランドカバーだとされています。芝生の約10倍の速さで広がり、刈り込みも年1〜2回で済むとされ、「芝生の代わり」として人気があります。
ただし、いくつか知っておきたい点もあります。クラピアは日陰に弱く、ほったらかしにすると景観が崩れて雑草が増える原因になるとされ、苗もホームセンターでは手に入りにくく、まとまった株数を買うとそれなりの費用になります。当然ですが、苗を買って植え、根づくまで管理する手間とお金はかかります。
「クラピアに似た安い苗」には要注意
ここはぜひ知っておいてほしいのですが、クラピアによく似たヒメイワダレソウ(リッピア)という植物があります。安価で出回っていますが、これは環境省の生態系被害防止外来種リストで「重点対策外来種」に指定されている植物です。
ヒメイワダレソウは繁殖力が非常に強く、海外では侵略的植物として在来種の生育を脅かす存在になっているとされ、庭の外に出さない管理が必要とされています。クラピアはこのヒメイワダレソウを品種改良し、種をつけないように改良された安全な品種とされていて、両者はまったくの別物です。安さだけで選んで取り違えないよう、注意が必要です。
植えるならクラピア。ヒメイワダレソウ(リッピア)は重点対策外来種で、庭の外への逸出に注意が必要とされています。安さだけで選んで取り違えないようにしてください。
雑草グランドカバーには、こうした「買う費用」も「外来種を持ち込むリスク」もありません。もともとその土地に生えている草を活かすので、当たり前ですが、植えることによる心配がそもそも起きないのです。
「刈るだけで芝生になる」仕組み|植えるのではなく“選抜”する
では、なぜ「ただ刈るだけ」で雑草が芝生のような庭になっていくのでしょうか。これは気合いや根性の話ではなく、ちゃんとした仕組みがあります。
頂芽を刈ると、背の低い草が優勢になる
植物には「頂芽優勢」という性質があり、いちばん上にある芽が植物全体の成長を引っ張っています。刈り取りでこの頂芽を失うと、休んでいた他の芽が伸び始めるとされています。
この性質の効き方が、草の形によって違います。背を高くして勝負するタイプの草(セイタカアワダチソウなど)は、刈られ続けると消耗して減っていきます。一方、地面を這う匍匐型(シロツメクサなど)や、地面に張りつくロゼット型(タンポポなど)の草は、刈り取られても芽が残って再生し、むしろ増えるとされています。
つまり、定期的に刈り続けると、背の高い草は減り、背の低い匍匐型の草が残る。結果として、地面を覆う緑のじゅうたん——芝生のような状態に近づいていくわけです。これは「植える」のではなく、刈ることで草を「選抜」しているイメージです。
刈り高で、庭の表情が変わる
さらに面白いのは、刈る高さによって優勢になる草が変わることです。公的機関の試験でも、高めに刈った区画ではイネ科以外の多様な草が優勢になり、地際で低く刈った区画では特定の草に偏った、という結果が報告されています。
これは、わたしが自分の庭で実際に体験したこととぴたりと一致していました。
① 1年目は、雑草の種類がバラバラだった
正直に言うと、最初からきれいな緑のじゅうたんになったわけではありません。グランドカバーを目指して刈り始めた頃は、いろいろな雑草が混ざっていて、地面のところどころが透けて見える、お世辞にもきれいとは言えない状態でした。
② 2年ほどで約8割が覆われ、「芝生の代わりになる」と確信した
刈り揃えるのを続けていくうちに、わが家では2年ほどで真砂土の約8割が雑草に覆われた状態になりました。この頃、「これはもう芝生の代わりにできる」と確信しました。芝刈り機で刈り揃えるだけで、十分に居心地のいい空間になったのです。
③ 3〜4年目にスズメノカタビラが優勢になり、刈り高で多様性を調整できると気づいた
3〜4年目には、刈り込みに強いスズメノカタビラというイネ科の草が優勢になりました。そこで試しに、刈り高を3〜4cmから5〜6cmに少し上げてみたのです。すると、いろいろな種類の雑草が顔を出すようになり、低く刈ると均一な芝生風、少し高く残すと多様な草が混じる庭風、というように、刈り高で庭の表情をコントロールできると気づきました。季節や日の当たり方でも、生えてくる草は変わります。今まで気にもかけなかった雑草に、すっかり興味が湧いてしまいました。
1年目は本当にバラバラで、「これ大丈夫かな?」と半信半疑でした。でも刈り続けるうちに、勝手に整っていったんです。



わが家のグランドカバーになった雑草|スズメノカタビラが主役
「どんな雑草がグランドカバーになるの?」というのは、いちばん気になるところだと思います。わが家の主役と、よく名前が挙がる草について、正直にお伝えします。
主役はスズメノカタビラ(一年草・夏の端境期に注意)
わが家のグランドカバーの主役は、スズメノカタビラです。イネ科の草で、踏みつけや低い刈り込みに強く、ゴルフ場のグリーンでも育つほどとされていて、まさにグランドカバー向きの性質を持っています。



ただし、正直な注意点もあります。スズメノカタビラは基本的に一年草(越年草)なので、実をつけたあとに株が枯れるとされ、時期によっては枯れ込んで少し寂しくなることがあります。わが家のある温暖地では条件が合えば長く緑を保ってくれますが、「一年中ずっと完璧な緑」というわけではありません。こうした端境期も含めて付き合っていく草だと考えています。
ハマスゲについて、正直にお伝えします
グランドカバーに使える雑草として、よくハマスゲの名前も挙がります。ここはきちんと正直に書かせてください。
ハマスゲは、刈り込みにとても強い草で、グランドカバーに活用する人もいるとされています。一方で、畑にとっては事情がまったく違います。ハマスゲは世界的にも最強クラスの強害雑草とされ、地下の塊茎で猛烈に増える草で、耕運機で耕すと塊茎が切れてそれぞれから芽を出し、かえって増えてしまうとされています。家庭菜園の畝の中に入られると、本当に手に負えません。



そして、これも正直に。実はわが家の庭には、ハマスゲはほとんど生えていません。早くグランドカバーを作りたくて、外に生えていたハマスゲをわざわざ庭に移植してみたこともあるのですが、一度は根を張ったものの、なぜかすぐに消えてしまいました。理由は今もわかりません。
この経験は、わたしにとってむしろ大事な教訓になりました。「最強」とされるハマスゲでさえ、わが家では根づかなかった。逆に、まったく狙っていなかったスズメノカタビラが主役になった。つまり、グランドカバーになる草は、こちらが「これを植えよう」と決めるものではなく、その土地の土や日当たりが選ぶものなのだと思います。だからこそ、無理に特定の草を持ち込もうとせず、刈りながら「その土地に合った草が残るのを待つ」のが、いちばん自然で楽な方法だと感じています。
もしハマスゲをグランドカバーに使ってみたい場合は、家庭菜園の畝や、隣家の敷地に絶対に広げないこと。これだけは強くお伝えしておきます。
ハマスゲは畑では世界最強クラスの強害雑草とされ、いったん畝に入ると駆除が非常に困難です。増やしたい場合も、畑(畝)や隣地への侵入には厳重に注意してください。



雑草グランドカバーへの移行3ステップ
ここからは、実際に「雑草グランドカバーの庭」に移行していく手順を、3ステップでお伝えします。今が芝生でも、何も植えていない土の庭でも、考え方は同じです。
いちばんおすすめなのは、「今あるものを撤去する」のではなく、芝刈り機の刈り高を高め(4〜5cm程度)に設定して、定期的に刈り続ける方法です。
芝生は低く刈られる前提に最適化されているので、高めに刈り続けると徐々に勢いが弱まり、代わりに刈り込みに強い雑草が増えてきます。時間はかかりますが(わが家では数年)、撤去費用ゼロで自然に入れ替わるので、いちばん楽な方法です。
雑草の比率が増えて、芝生の勢いが弱まってきたら、芝生のエリアを少しずつ削っていきます。いきなり全部を剥がすと土が裸になり、扱いにくい草が一気に増えることがあるので、少しずつ進めるのがコツです。
面倒なら、無理に剥がさず「刈り続けて自然に消えるのを待つ」だけでも大丈夫です(わたしも数年、そのままにしている場所があります)。ただし、勢いの弱った芝生が緑の薄い、茶色っぽい状態でしばらく残ることがあるので、見た目が気になる場合は注意してください。
雑草グランドカバーが定着してきたら、家庭菜園との連動を考えます。畝の周りに緑肥(えん麦・クローバーなど)を帯のように植えると、グランドカバーとの境目が自然なグラデーションになり、庭全体がひとつの生態系としてつながり始めます。
このとき、緑肥と一緒にもみ殻を畝の周りに敷いておくと、匍匐性の雑草が畝の中に侵入するのをかなり防げます(これは後述する、わが家の失敗から学んだ対策です)。















刈り方の実際|頻度・刈り高・時間(わが家の数字)
「結局、どれくらいの手間がかかるの?」という疑問に、わが家の実際の数字でお答えします。
2〜3週に一度・刈り高4〜6cm・作業はあっという間
わが家では、雑草の伸びる初夏は2〜3週に一度のペースで刈っています(雨が続くと、もう少し頻繁になることもあります)。刈り高は、芝生らしく整えたいときは低め、多様な草を楽しみたいときは5〜6cmと、気分で変えています。
特にお伝えしたいのが、作業時間です。雑草を手で抜いていた頃は、同じ範囲に1時間ほどかかっていました。それが芝刈り機なら、ほんの5分ほど。何より、抜く作業の苦痛から解放されたことが、いちばん大きな変化でした。
夏と冬で、付き合い方が変わる
刈る作業が必要なのは、草がよく伸びる春から秋にかけてです。雑草が枯れて落ち着く秋から冬は、刈る回数もぐっと減ります。雨が続いた後は草が伸びやすいので、少し早めに刈ると楽です。「短時間の作業を、定期的に」が、長く続けるいちばんのコツだと感じています。
道具は「長い草も刈れる」ロータリー式が向く
雑草グランドカバーは芝生より伸びやすく、刈る間隔も空きがちなので、道具選びが大切です。芝刈り機にはリール式とロータリー式がありますが、リール式は仕上がりがきれいな反面、長く伸びた草は刈れないとされ、こまめな芝刈りが前提になります。
一方ロータリー式は、長く伸びた草もスピーディに刈れるとされていて、刈る間隔が空きがちな雑草グランドカバーには、こちらが向いています。わが家でも、充電式のロータリー式を愛用しています。



雑草は伸びるのが早いので、「長い草も刈れる」ロータリー式が安心です。充電式ならコードを気にせず、思い立ったときにサッと刈れます。
わが家で使っているのは、充電式ロータリー式のマキタです。比較検討した機種とあわせて置いておきます(詳しい比較はレビュー記事をどうぞ)。
仕上がりの美しさを優先するなら、手動リール式という選択肢もあります。



裸足で歩ける庭|子ども・虫・四季の色
実際に暮らしてみて、雑草グランドカバーの庭がどんな感じなのか。芝生や人工芝とは違う「使い心地」を、正直にお伝えします。
芝生より柔らかく、裸足で歩ける
雑草グランドカバーは、芝生よりも柔らかく、裸足で歩けます。草の密度が濃くなってくれば、使い勝手は芝生と遜色なく、外で十分にピクニックも楽しめます。人工芝のように夏に表面が熱くなることもありません。真砂土の庭だった頃と比べて、はるかに居心地のいい空間になりました。
虫とのつき合い方は「刈ること」で調整できる
正直な注意点として、虫のことがあります。不快になるほど多くはありませんが、雑草の背が高くなると、それに比例して虫が増えます。わたし自身はまったく気になりませんが、虫が苦手な子どもたちには、あまり評判がよくありません。
でも、これは簡単に解決できます。子どもが外で遊ぶ前に、しっかり低めに刈っておけばいいのです。ここでも「刈り高」が効いてきます。低く刈れば虫が減って子どもが遊びやすく、高く残せば多様な生き物が集まる庭になる。同じ芝刈り機ひとつで、庭の居心地を自由に調整できるわけです。
四季それぞれの表情がある
雑草グランドカバーの庭には、四季それぞれの魅力があります。オオイヌノフグリの青やカタバミの黄色など、小さな花が咲き始める春。青々と茂る新緑の季節。そして、雑草が枯れて刈り込みも楽になる秋から冬。どの季節にも、それぞれの表情があります。









正直なデメリットと、2つの注意点
エース記事として、いいことばかりでなく、正直なところもきちんと書いておきます。
完璧な美観は、芝生にかなわない
雑草グランドカバーは、ホテルの庭園のような、均一で完璧な美しさでは芝生にかないません。ここは正直に認めます。夏はある程度こまめに刈る必要がありますし、虫や生き物が芝生より近い距離にいます。「人工的に整った完璧さ」を求める方には、向かないかもしれません。
ただ、わが家にとっては、その「少し雑然として、生き物が暮らしている感じ」こそが魅力です。何を心地よいと感じるかは人それぞれなので、ここはご自身の好みで選んでいただければと思います。
注意点|畝への侵入は「緑肥+もみ殻」で防ぐ
わが家で実際に困ったことを、正直にお話しします。グランドカバーにしているスズメノカタビラが、家庭菜園の畝の中に侵入してきたのです。最初は「畑がやられるのでは」と不安になりました。
でも、対策はシンプルでした。畝の周りに緑肥を巻き、もみ殻を敷いたところ、匍匐性の雑草が畝の中に侵入することは、ほとんどなくなりました。グランドカバーで「失敗したかも」と感じたのは、正直このくらいです。
注意点|隣家への配慮を忘れずに
雑草グランドカバーへの移行中は、見た目が少し乱雑に見える時期があります。定期的に芝刈り機で刈り揃えれば雑草でも十分きれいに見えますが、放置して茂らせてしまうと、ご近所の目が気になることもあります。隣家との距離が近い場合は、こまめに刈ることを心がけてください。
ちなみにわが家では、隣の畑の草刈りも引き受けています。見た目を整えることでご近所と良い関係を保てますし、刈った草は草マルチの資材にもなるので、一石二鳥です。



6年でかかった費用の総まとめ|“0円グランドカバー”の正体
最後に、いちばん気になるであろう費用を、正直にまとめます。
雑草グランドカバーそのものにかかった費用は、芝刈り機代の2〜3万円と、その替刃代だけです。雑草なので、水やりも肥料もいりません。植物代も、土壌改良費も、施工費も、一切かかっていません。しかもその芝刈り機は、家庭菜園の草マルチ用に庭と畑あわせて約100坪を刈るのにも使っている、兼用の道具です。
芝生やクラピアなら、植物を入れる初期費用だけで数万〜十数万円、その後も毎年、肥料代や水道代がかかり続けるとされています。それと比べると、わが家の庭は「植物代0円・水やり0円・肥料0円、かかったのは道具だけ」。これが、わたしが“0円グランドカバー”と呼んでいる正体です。






よくある質問(FAQ)
Q1. 除草剤を使っていた庭でも、すぐに変えられますか?
変えること自体は可能ですが、土壌が落ち着くまで時間がかかります。使用をやめた最初の数か月は、これまで以上に雑草が一気に出てくることもありますが、これは土が回復していく過程の自然な現象とされています。焦らず刈り続けてください。
Q2. 隣の家から雑草の種が飛んできませんか?
完全に防ぐことはできません。ただ、自分の庭がグランドカバーで密に覆われていれば、新しい種が発芽するすき間がほとんどないため、影響は最小限に抑えられます。わが家でも、密度が濃くなってからは、新しい雑草の発芽はかなり減りました。
Q3. 雑草グランドカバーは、見た目が悪くないですか?
定期的に芝刈り機で刈り揃えれば、きれいな緑のじゅうたんになります。芝生ほど均一ではありませんが、自然な美しさがあります。わが家でも、近所の方から「いつも緑がきれいですね」と言われることがあります。
Q4. どんな雑草が生えてくるかは、選べますか?
基本的には選べません。その土地の土や日当たりに合った草が、刈るうちに自然と残っていきます。低く刈ればスズメノカタビラのような匍匐型が優勢になり、少し高く刈れば多様な草が混じります。「植える」のではなく「残った草を活かす」のが、この方法の考え方です。
さいごに
わが家の庭は、実家の芝生のように、誰かが必死に手入れし続けないと保てない庭ではありません。もともと生えてくる雑草を、芝刈り機で刈り揃えているだけの庭です。それでも、芝生に負けないくらい居心地がよく、裸足で歩けて、子どもが遊べて、生き物が集まる場所になりました。
最初は抜いても抜いても苦痛だった雑草が、6年かけて、庭のグランドカバーにも、家庭菜園の草マルチにもなる、なくてはならない存在に変わりました。雑草は、敵ではありません。むしろ、庭と家庭菜園を繋いでくれるもの。今のわが家にとっては、なくてはならないものです。
緑が濃くなる夏の夕暮れ、椅子を出してこの庭を眺めていると、昔、両親の実家の田舎で感じた、あの落ち着く夕暮れの景色を思い出します。手入れに追われて消えていった実家の芝生のその先に、こんなにも心安らぐ風景があるとは、あの頃は思いもしませんでした。
完璧を目指さなくて大丈夫です。芝生がうまくいかなくても、自分を責めることはありません。お金をかけなくても、居心地のいい庭は作れます。今ある雑草を、刈って、活かして、ゆっくり育てていく——その先に、「となりのトトロ」のサツキとメイの家のような、緑豊かで生き物が共存する庭が待っています。
失敗しても大丈夫です。来年また種をまけばいい——それがずぼら菜園の気楽さです。
この記事が、みなさんの庭づくりのヒントになれば嬉しいです。また次回も、自然農の視点から家庭菜園を楽しむヒントをお届けします。コメント・お気に入り登録もよろしくお願いします。
無肥料・無農薬・不耕起栽培で自然に寄り添う家庭菜園を実践(自然農歴6年)。温暖地の約100㎡の庭で、雑草のグランドカバーと野菜・果樹が一体になった「となりのトトロ」のような庭を育てています。
